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2012年度診療報酬改定の概要 — 64列CTや3T MRIの加算が新設

●本体で約5500億円を計上

中央社会保険医療協議会(中医協)は2012年2月10日,2012年度の診療報酬改定案を小宮山洋子厚生労働大臣に答申した。
2012年度の全体の改定率は+0.004%。このうち診療報酬(本体)は+1.38%(約5500億円)で,薬価等は−1.38%(約5500億円)となっている。
今回の改定の重点項目は以下のとおり。

(1) 救急,産科,小児,外科などの急性期医療を提供するための病院勤務医などの負担軽減,待遇改善を図る。→1200億円
(2) 地域医療再生のため,早期の在宅医療への移行など,医療と介護の機能分化・連携を強化するとともに,在宅医療の充実を図る。→1500億円
(3) がん治療や認知症治療のための医療技術の進歩を促進し,普及させるための評価の充実を図る。→2000億円

●64列CTや3T MRIの加算新設のほか三次元画像のナビゲーションも評価

画像診断については,コンピューター断層撮影料の見直しが行われた。
CTは64列マルチスライスCTが新設されて950点となり,16列以上64列未満は900点,4列以上16列未満は780点,それ以外が600点となる。
また,MRIは3T以上が新設され1400点となった。1.5Tは1330点,それ以外は950点となっている。
このほか,CT,MRIの保守管理も評価されることとなった。4列マルチスライスCT,1.5T MRIの施設基準の届出にあたり,安全管理責任者の氏名,CT・MRI装置,造影剤注入装置の保守管理計画を提出することが必要となる。
さらに,2012年度改定の重点項目でもある医療技術の評価として,肝切除術における画像支援ナビゲーションも評価される。肝がんや肝内胆管がんの術前・術中に三次元画像を利用・参照することが対象となる。

●外来放射線照射診療料が新設

一方,放射線治療については,外来放射線照射診療料として280点が新設される。
外来放射線照射実施計画に基づき,1週間のうち5日間放射線照射を行うことを評価するとしている。

厚生労働省「平成24年度診療報酬改定の概要」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/gaiyou.pdf
厚生労働省「個別改定項目について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021ele.pdf