よこやまIBDクリニック × Medicom-HRⅢ,Plissimo AR TYPE P(パナソニック ヘルスケア)
IT化により受診しやすい環境と専門性の高い診療体制を整え難病患者を継続的に支える

2016-2-1


よこやまIBDクリニック

よこやまIBDクリニックは,東海圏初の炎症性腸疾患(IBD)専門クリニックとして2015年1月に開業した。若年者に好発し,継続的な医療が必要なIBD患者の利便性を高め,かつ専門的な診療を提供するため,パナソニックの医事一体型電子カルテシステムMedicom-HRⅢや医用画像保管システム(PACS)Plissimo AR TYPE Pなどを採用し,IT環境を構築した。見やすさと使いやすさを追究し,難病診療のニーズにも応える機能を搭載した電子カルテシステムと,手厚いサポート体制により,少人数のスタッフでの運営を実現するとともに,治験に参加することで,よりよい難病治療の早期実現をめざしている。

●主な構成機器

主な構成機器

 

●よこやまIBDクリニックのレイアウト

よこやまIBDクリニックのレイアウト

 

IBD診療に対応し患者利便性の高いシステムを構築

(1) 受付
受付には,電子カルテシステムサーバ(a)と診療予約システム(b)を設置。問診票や紹介状を取り込むためのスキャナ(c)に加え,保険証専用スキャナ(d)を導入している。

受付
受付

 

  • 外来診療は予約制となっている。初診時は電話予約が多いが,診療予約システムで携帯電話やスマートフォン,PCからの予約が可能。予約変更も簡単にできるため,早めに到着しそうな患者はWeb上で予約時間を前倒しすることで,待ち時間を短縮することができる。
  • 難病患者は健康保険証のほかに特定医療費受給者証などを持っているため,電子カルテシステムに“保険証認識ソフト”を搭載することで,煩雑な入力・確認作業の簡略化を図り,確実な管理に努めている。
  • 電子カルテシステムのレセプトチェック機能“点検アシスト”や薬剤や病名のチェック機能,そしてインストラクターのサポートにより,経験の浅いスタッフでも医療事務を切り回すことが可能となっている。

 

(2) 診察室
診察室には,電子カルテシステム端末(a)と医用画像保管システム(PACS)(b),PC(c)を設置。

診察室

 

  • IBD診療では,内視鏡検査で経過を見ることが重要で,高画質画像を見ながら患者に説明するためにPACSを導入した。検査後直ちに静止画がPACSに転送されるため,検査に続いて診察室で画像を見ながら患者への説明が可能となっている。
  • 電子カルテシステムではテンプレートを作成できるため,IBD診療に特化したテンプレートを登録しておくことで,入力を簡略化し,専門性の高い詳細な患者説明を行える。
  • PCでは,診療予約の状況を確認できる。電子カルテシステムから診療予約システムへは頭書きデータを送信しており,患者がIDを入力して予約すると,診療予約システム上で頭書き情報を確認できる。診療予約システムには,患者が状態や要望を入力できるメモ機能があり,記載内容からあらかじめ診療内容を予想できるため,質の高い診療の提供につながる。
  • 連携病院の独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターが提供する地域連携システム「金鯱メディネット」および名古屋第二赤十字病院の「やごとクロスネット」に参加している。両基幹病院へ紹介した患者の診療情報(電子カルテや画像検査データ)をVPN回線を経由してPCで閲覧することができる。入院患者は原則開放型病床を利用し,日々のカルテを確認しながら横山院長が基幹病院に赴いて共同指導を行っている。

 

(3) 内視鏡室
内視鏡室には,内視鏡システム(a),静止画・動画レコーダー(b)を設置。また,電子カルテシステムに“タブレット医療支援ソフト”を導入し,内視鏡検査の際にタブレット(c)から電子カルテの閲覧・入力を行っている。

内視鏡室
内視鏡室

 

内視鏡室

 

  • 内視鏡検査のデータは,DICOMゲートウェイ機能を持つ静止画・動画レコーダーを介してPACS に転送される。ハードディスクの容量を圧迫しないために,通常の診療では静止画のみを保存し,治験など必要症例のみ動画をマルチフレーム形式で出力して保存している。
  • 内視鏡検査の際には看護師がサポートに入り,タブレットを用いて電子カルテの確認や生検部位の入力などを行っている。

 

(4) 処置室
処置室には,電子カルテシステム端末(a)と検査依頼報告システム(b)を設置。

処置室

 

  • IBDは点滴により生物学的製剤投与を行う治療も多く,看護師が診察室からのオーダを電子カルテシステム端末で確認している。
  • 検体検査は,検査依頼報告システムから検査依頼を行う。診察室で検査オーダすると,ラベルプリンタでラベルが出力される。検査結果は検査依頼報告システムを経由して,電子カルテシステムに取り込まれる。

 

 

インタビュー
横山 正院長 に聞く
患者の利便性と診療の専門性を考慮したIT化で難病患者を支える

横山 正院長

難病患者,診療の特性を踏まえクリニックのIT化を決断

─貴院の特徴をお聞かせください。

横山:私は,潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)を専門に診療してきました。IBDは10~20歳代で発症する難病で,長年にわたり継続的な診療が必要です。治療が向上したため,患者さんは社会の中核となって働き,子育てをしている世代が多く,そのような方々が受診しやすい環境をつくるため,5路線が乗り入れるターミナル駅に直結したビルに開院しました。患者さんの利便性を高めるためにはIT化が必要と考え,電子カルテシステムやPACS,予約システムを導入しました。予定よりも早く到着しそうな患者さんはWebから簡単に予約時間を早めることもできるので,待ち時間を短縮できていると思います。

─電子カルテシステムやPACSをどのような基準で選定しましたか?

横山:これまで電子カルテシステムを使った経験がなく,ITが苦手な私でも運用できるようにサポート体制がしっかりしていることが大きな条件でした。また,当院は患者さんの8割が難病で,治療に高価な薬を使うため診療報酬の平均点数が高く,一般クリニックよりも審査が厳しくなります。そのため,レセプトチェック機能を十分に備えたシステムが必要でした。パナソニック ヘルスケアのメディコムブランドは,レセプトコンピュータから始まった長年の経験があることと,人的サポートが厚いことが決め手となり,Medicom-HRⅢを導入しました。
また,IBD診療では内視鏡検査の経過を見ることが大切ですので,診察室で患者さんにきれいな画像を見ていただきながら説明するためにPACSが必要でした。転院してくる患者さんが持ち込む過去画像や,紹介検査においてCD,DVDで持ってきた画像をPACSであれば一括で管理できます。選定では,電子カルテシステムとの連携のしやすさを考えたのと,動画が保存できることがポイントでした。難病治療においては少しでも安全性が高い薬を使えるようになることも大切で,ドラッグラグ解消に貢献するために,当院では国内外の治験に参加しています。IBDの国際共同治験では近年,内視鏡検査の動画の提出が求められており,院内に動画データを残すために動画を保存できるPlissimo AR TYPE Pを選びました。

各種ソフト導入により業務を簡略化し情報の確実性を担保

─現在のシステム構成と運用方法は?

横山:電子カルテシステムの端末を診察室と処置室に設置するとともに,“タブレット医療支援ソフト”を導入し,内視鏡検査の際に看護師がタブレットを使って生検部位を記録するといった運用を行っています。また,電子カルテシステムには“保険証認識ソフト”も搭載しました。難病の患者さんは通常の保険証のほかに,特定医療費受給者証を持っています。有効期限が都道府県ごとに異なることや,住所地変更などにより頻繁に変更されるため,保険証等の管理は非常に重要です。保険証専用スキャナを導入し,入力・確認作業を簡略化しながら,確実に管理できるようにしています。内視鏡のデータは,DICOMゲートウェイ機能を持つ静止画・動画レコーダーを介してPACSに取り込んでいます。診療では静止画のみを,治験など必要症例では動画をマルチフレーム形式で出力して保存しています。

─IT化のメリットとは?

横山:メリットの一つは,業務の簡略化により少ないスタッフで運営できることです。現在,看護師2名,事務2名ですが,電子カルテシステムの各種チェック機能やインストラクターのサポートにより円滑に運営できています。また,電子カルテシステムではテンプレートを作成しておけることも有用です。海外のガイドラインの翻訳や,妊娠中の患者さんに向けた説明などのテンプレートを作成しておくことで,記載を省力化しながら最新のエビデンスに基づいて患者さんに詳しく説明することができます。さらに,統計データを簡単に抽出できることは,詳細なデータの提出を求められる治験施設選定において大きなメリットだと感じています。国際共同治験は2016年から本格化しますが,ITを活用して今後も難病医療に尽力していきます。

 

よこやまIBDクリニック
〒460-0022 愛知県名古屋市中区金山1-14-9 長谷川ビル6F
TEL 052-228-7075
診療科目:消化器内科,消化器外科
http://y-ibd.jp


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