アクトタワークリニック × Medicom-HR II(パナソニック ヘルスケア)
Web予約システムでスムーズに受診へとつなぎ,患者の思いに応える医療を実践

2014-7-1


スタッフ

アクトタワークリニックは,女性・男性の不妊症,人工授精,体外受精などを行う不妊治療専門クリニックとして2013年7月に開院した。院内部門として,高度な技術で卵子の凍結保存や胚培養などを行う生殖発生医科学センターも設置し,松浦俊樹院長のもと,“患者の意向に沿った身体への負担が少ない治療”を理念に診療にあたっている。パナソニックの医事一体型電子カルテシステムMedicom-HR II を導入して診療や研究における作業効率向上を図るとともに,Web予約システム「受けNavi」により,妊娠を望む患者が適切に治療を受けられるように予約を取りやすい環境を整えている。

●主な構成機器

主な構成機器

 

●アクトタワークリニックのレイアウト

アクトタワークリニックのレイアウト

 

患者の利便性を向上し,高い専門性に柔軟に対応するIT環境を構築

1. 予約

予約方法は,診療時に次回予約,電話,Web予約システムの3通りある。

ホームページ
トップページメニュー

 

  • 初診では,予約・紹介状は不要。Web予約は再診以降に可能で,予約優先で診療を行う。実際の予約方法の内訳は,診療時の次回予約が約50%,電話とWeb予約システムがそれぞれ約25%となっている。
  • Web予約システムは,クリニックのホームページ(a)からアクセスできる。トップページ(b)のメニュー(予約確認,予約取得,予約変更,予約キャンセル)から希望のサービスを選択して,診察券番号とパスワードでログインする。予約取得の画面では,予約可能な日時が一覧表示され,希望の日時を選択,確定する。

 

2. 受付・待合室

受付には医事一体型電子カルテシステム(a)とWeb予約システム(b)のサーバを設置。中央(c)は電子カルテシステム端末。受付バックスペースにも電子カルテシステム端末(d)を設置。
待合室には順番表示のモニタ(e)を設置。

医事一体型電子カルテシステム(a)Web予約システム(b)電子カルテシステム端末(c)
電子カルテシステム端末(d)
   
待合室には順番表示のモニタ(e)
リライタブルカード発行機(f)

 

  • 予約管理はWeb予約システムの「アポイント表示」を利用して受付スタッフが行っている。予約枠は15分が基本だが,調整が利くようにWeb予約システムでは30分枠での受け付けとしている。
  • 初診では,患者に問診票を記入してもらい,当日は紙の問診票を用いて診療を行う。問診票の情報は診療終了後,または翌日に電子カルテシステムに登録する。問診票は,原本を保管しつつ,スキャナで読み取って画像として電子カルテシステムに保存し,診療に用いる。
  • Web予約システムのオプションであるリライタブルカード発行機(f)を導入。受け付け時に診察券を挿入すると,受付番号の発行,診察券への受付番号の印字が行われ,同時に電子カルテ端末に患者のカルテが表示される。また,会計時には診察券に予約内容が印字される。
  • Web予約システムと連携した待合室のモニタには,診察中の受付番号が表示される。患者は自身の診察の順番を把握でき,待ち時間を有効利用できる。
  • 松浦院長の診察後,看護師が電子カルテシステムのコメント欄に「処方・指導中」「会計へ」などを入力。受付では,来院患者一覧表示で状況を把握し,会計処理を行う。
  • 不妊治療では自費診療が多いが,医事一体型電子カルテシステムでは項目の追加や金額変更の登録が容易に行える。また,不妊治療助成費申請のための証明書作成では,医事機能の出納一覧で自費診療費用を算出できるため,計算ミスもなく,手間がかからない。

 

3. 診察室

診察室1(a)と2(b)には,ペンタブレット型の電子カルテシステム端末を設置。なお,受付の1台を除く6台の電子カルテシステム端末は,Web予約システムと連携している。

診察室
診察室

 

  • 超音波静止画像や,画像化した問診票や紹介状などは,電子カルテシステムに保存し,参照している。
  • 子宮の形状や卵巣の位置は個人差があるため,タッチペンを使いシェーマ図でカルテに記録し,採卵や移植の際に参照する。
  • 生殖発生医科学センターで管理している卵子の管理表(Excelファイル)と電子カルテシステムを紐付けし,カルテ上から管理表を簡単に呼び出すことができる。移植時には,管理表で移植する卵子番号を確認し,培養室に指示を出す。
  • 文書作成では,テンプレートを容易に編集して利用できる。カルテを開いたまま文書作成が可能で,紹介状などの作成もスムーズに行える。

 

4. 内診室

産婦人科用に設定した超音波診断装置(a)を設置している。

内診室

 

  • 超音波画像は静止画として,患者属性情報とともに,レコーダからファイル転送ソフトウエアを経由し,電子カルテシステムの画像用フォルダに保存される。

 

5. 検査室

電子カルテシステム端末(a)と全自動エンザイムイムノアッセイ装置(b)を設置。

検査室

 

  • 院内検査の結果は,POC検査支援ソフトウエア(c)を経由して,電子カルテシステムに送られる。血液検査などは外部委託で,専用回線で電子カルテシステムと委託先を接続し,検査オーダの発行と検査結果の送信が行われる。

 

6. 培養室

クリーンルーム前室に電子カルテシステム端末(a)を設置している。

培養室

 

  • 採取した卵子の数や胚の培養・凍結の状況を患者ごとにExcelファイルで管理し,電子カルテシステムと紐付けしている。

 

7. 採卵・移植室

電子カルテシステム端末(a)と超音波診断装置(b)を設置。

採卵・移植室

 

  • 電子カルテシステムで,子宮形状や卵巣位置などを記録したシェーマ図を確認し,採卵や移植を行う。

 

*は,生殖発生医科学センター内

 

インタビュー
松浦俊樹院長 に聞く

専門性の高い診療ニーズに応える電子カルテシステムと予約システム

システムの高い安定性と要望に対する柔軟な対応を評価

松浦俊樹院長

─クリニックの特色とIT化の理由をお聞かせください。

松浦:全国には約600の不妊治療施設がありますが,当院のように,男性女性ともに1人の主治医のもと治療を行える施設はわずかです。治療効果を上げるため顕微鏡などは高性能な機器を導入し,できるだけ少ない回数の治療で妊娠率を高め,患者さんの負担を軽減することに努めています。また,白血病などの患者さんが治療により卵巣機能を失う前に,卵子を採取・凍結保存しておくといった特殊な治療にも取り組んでいます。院内部門の生殖発生医科学センターでは,基礎研究から応用まで行っており,学会などで積極的に発信しています。
開院にあたって電子カルテシステムの導入は必須でした。紙カルテでは,患者さんからの急な問い合わせや,学会発表で統計を取る際などに対応しきれませんし,保管場所も必要です。Web予約システムは,仕事を持つ方でも,夜間や少し空いた時間に簡単に予約をできるように導入しました。

─システム選定の基準は?

松浦:まず電子カルテシステムを決めてから,導入時やサポートの便を考えて同一メーカーの予約システムとしました。電子カルテシステムについては多くの先生に相談し,展示会などで実機を比較しました。私自身の経験も含めて“フリーズしない”ことを重視して,Medicom-HRⅡを選定しましたが,実際に開院から1度も止まっていません。これはメディコムの長い歴史の中で,ユーザーの声を反映して改良されてきた結果だと思います。
他の大手メーカーのシステムも安定性は高いですが,カスタマイズなどに対応してもらえませんでした。当院のような専門クリニックでは,不妊治療において重要なツールである卵子の管理表などを電子カルテと連携したいといった,特化したニーズが出てきますが,メディコムには柔軟に対応してもらうことができ,その小回りの良さに感心しました。

仕事を持つ患者がストレスなく予約できるWeb予約システム

─現在のシステム構成と機器連携の有用性とは。

松浦:Medicom-HRⅡには,受けNaviに加え,連携システムを介して,ホルモン検査を行う院内検査システムと超音波診断装置を接続し,検査結果と静止画像をカルテに取り込んでいます。また,検体検査などを外部委託していますので,Medicom-HRⅡと委託先を専用回線でつないで,オーダと結果の取り込みを直接できるようにしました。
システム選定の際に意外だったのが,他の大手メーカーの電子カルテシステムは,外部委託の検査結果は入れられても,院内検査の結果を入れられないことでした。メディコムがカスタマイズでシステムを構築してくれたことで,電子カルテで素早く検査結果を確認でき,ストレスなく診察にあたることができています。
また,看護師も電子カルテシステムで容易に患者情報の確認ができますし,紙カルテのように検査結果を手作業で貼付する必要がないので,取り違えなどのミスを回避でき,作業の効率と安全性の向上にも貢献しています。

─Web予約システム導入の効果は?

松浦:開院前の想定通り,仕事を持っている患者さんが非常に多く,現在は実に約95%の方が何らかの形態で就労しています。不妊治療は,きちんと受診していただくことが妊娠へとつながりますが,仕事の合間に電話で予約することが負担となれば,受診が面倒になったり,先延ばしにしてしまい,妊娠する確率を下げてしまうことになります。ストレスなく予約できる手段として導入したWeb予約システムは,期待通りで,患者さんからも予約を取りやすいと好評です。

─システムへの要望や,IT化にあたってのアドバイスをお願いします。

松浦:現在は紙に印刷して渡している検査結果などのカルテ情報を,患者さん自身のパソコンやモバイル端末で参照できるようになるといいと思います。
クリニックのIT化にあたっては,医師も十人十色なので,ある程度,自分が使いやすいようにカスタマイズできるメーカーを選ぶのが良いと思います。また,導入後のサポート体制が整っていることも重要だと考えます。

 

アクトタワークリニック
〒430-7707
静岡県浜松市中区板屋町111-2 浜松アクトタワー7階
TEL 053-413-1124
診療科目:女性不妊症,男性不妊症,不育症,産婦人科,生殖医療外科,アンチエイジング治療
http://www.acttower.com/


(ITvision No.30 / 月刊インナービジョン2014年7月号付録 ITクリニックウォッチング転載)
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