NTT西日本大阪病院 × FAZONE CB(富士フイルム)
頸部体表からの“INNERVISION”

2013-7-1


NTT西日本大阪病院耳鼻咽喉科スタッフ(一番右側が筆者)

NTT西日本大阪病院耳鼻咽喉科スタッフ
(一番右側が筆者)

NTT西日本大阪病院は,コリアンタウンで有名なJR大阪環状線・桃谷駅近くに立地するNTT西日本本社管轄の企業立病院である。大阪府がん診療拠点病院であるためがんに重点化し,5疾病を中心とする医療・免疫療法・予防医療を提供している。当科でも口腔・咽喉頭がんなどの頭頸部がんや,甲状腺がんを中心とした悪性腫瘍の診断・治療を行っており,一般病院では数少ない日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医制度指定研修施設である。

頭頸部がんの診断には視診・触診を行うが,初診時の病期診断や再発診断には頸部リンパ節転移の精査は必須である。また,甲状腺がんを疑う症例に対しては,その性状を精査し良悪性の診断を行う必要がある。このような頸部体表の精査には,頸部造影CT・MRIやPET/CTなどのシンチグラムと並んで頸部超音波検査を施行している。頸部体表に限れば,なかでも頸部超音波検査は迅速簡便に微小病変を発見でき,きわめて有用である。

当院では,中央管理の総合生体診断・治療センターと各科管理の超音波画像診断装置による二本立ての超音波検査体制をとっており,時間外,病棟往診や緊急時には各科が独自に対応可能となっている。当科では,1995(平成7)年に外来頸部超音波診断システムを導入し,月100例程度の検査を行ってきたが,装置の老朽化に伴い更改が必要となった。外来診察中に検査を施行するため,新規機器の導入にあたっては,高画質はもとより検査環境設定や画像保存などの操作性に優れ,病棟往診等に便利なモバイルタイプを筆頭候補に挙げた。加えて院内画像システムへのオンライン送信などの拡張性を考慮し機種選定にあたった結果,2012年に富士フイルム社の超音波画像診断装置「FAZONE CB」を新規導入した。

富士フイルム社が提供する超音波画像診断装置FAZONE CBは,日常の臨床業務を考慮して新開発された機器である。特筆すべきは,その画像分解能と画像処理の速さである。すなわち,大きなゾーンで大量のエコーデータを瞬時に取り込む“ZONE Sonography”技術により高画質を迅速に再現,かつ12インチの全画面型LCDモニタを有することで従来機器に比べ病変の描出がより鮮明になり,超音波検査下の穿刺吸引細胞診の際などは重宝している。画像データをワンクリック保存できるなど簡素化した操作性は,介助するパラメディカルスタッフにも好評である。機能性についても,据え置き型のカートから本体を取り外してモバイルタイプとして持ち運び可能で,病棟往診においても活躍している。また,当院では院内画像システムの構築を進めており,ネットワークを利用した各種画像の一元管理に対応した拡張性を有すFAZONE CBへの期待は大きい。

赤埴 詩朗(NTT西日本大阪病院耳鼻咽喉科部長)

 

〒543-8922
大阪市天王寺区烏ヶ辻2-6-40
TEL 06-6773-7111
http://www.ntt-west.co.jp/osaka-hosp/
病床数:389床
診療科目 19科

●製品問い合わせ先
富士フイルムメディカル株式会社 
東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル
TEL 03-6419-8033
担当部署:マーケティング部


(インナービジョン2013年7月号より転載・2013年7月1日公開)
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