技術解説(フィリップス・ジャパン)

2017年8月号

Women's Imaging 2017 最新技術

フォトンカウンティング搭載デジタルマンモグラフィ装置「MicroDose SI」

フィリップスの「MicroDose SI」(図1)は,乳がん検診を受ける女性への優しさを追究したデジタルマンモグラフィ装置です。本稿では,MicroDose SIに搭載されたさまざまな先進的技術を紹介します。

図1 デジタルマンモグラフィ装置MicroDose SI

図1 デジタルマンモグラフィ装置MicroDose SI

 

●次世代の検出技術“フォトンカウンティング”
MicroDose SIは,CRやFPDに続く次世代の検出器フォトンカウンティングを搭載しています。検出器に入射するX線光子の数を直接デジタル信号とすることで,AD変換を不要としたフォトンカウンティングは,従来のシステムと比べて大幅な被ばく線量の低減とピクセルサイズ50μmの高精細画像の両立を可能にします。また,1回の撮影で臨床画像と透過物質に関するスペクトラル情報を同時収集する,シングルショットスペクトラルイメージングを実現します。

●スペクトラルイメージングによる“Breast Density Measurement”
スペクトラルイメージングとは,透過X線のエネルギースペクトラルを解析し,透過物質に関する付加情報を引き出す技術のことです。MicroDose SIでは,スペクトラル情報を基に乳腺組織と脂肪組織を弁別し,乳腺体積や乳腺密度といった三次元的な測定結果を自動算出するアプリケーションツールBreast Density Measurementを搭載しました。スペクトラルイメージングによる高精度な算出結果は,画像転送時にDICOM情報として出力されるため,現在のワークフローを変えることなく,乳腺量に関する付加情報を得ることができます。乳がん診療の個別化という,一歩進んだ診療形態を提案するアプリケーションツールです。

 

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