技術解説(フィリップス・ジャパン)

2016年8月号

Women's Imaging 2016 最新技術[Breast Imaging]

フォトンカウンティング搭載デジタルマンモグラフィ装置「MicroDose SI」

本稿では,CRやフラットパネルディテクタ(FPD)に続く次世代の検出技術“フォトンカウンティング”を搭載したデジタルマンモグラフィ装置「MicroDose SI」(図1)の先進的な技術に関して解説します。

図1 デジタルマンモグラフィ装置「MicroDose SI」

図1 デジタルマンモグラフィ装置
「MicroDose SI」

 

●次世代の検出技術フォトンカウンティング

MicroDose SIは,AD変換を不要とした次世代の検出技術フォトンカウンティングを採用し,従来のシステムと比べて大幅な被ばく線量の低減と,ピクセルサイズ50μmの卓越した高画質を両立することで,女性にとって安心感のある乳がん検診を提供します。また,フォトンカウンティングによって,1回の撮影で高精細な臨床画像と透過物質に関するスペクトラル情報を同時収集する,シングルショットスペクトラルイメージングを実現しました。

●スペクトラルイメージングによるBreast Density Measurement

スペクトラルイメージングとは,透過X線のエネルギースペクトラルを解析し,透過物質に関する付加情報を引き出す技術のことです。MicroDose SIでは,スペクトラル情報を基に乳腺と脂肪組織を弁別し,乳腺体積や乳腺密度といった三次元的な計測を自動算出するアプリケーションツール“Breast Density Measurement”を搭載しました。乳腺濃度は,マンモグラフィの感度と乳がんの発症リスクにかかわる重要な因子であり,その客観的な評価は医療従事者の皆様に,乳がん診療の個別化という一歩進んだ診療形態を提案します。

 

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