技術解説(フィリップスエレクトロニクスジャパン)

2015年10月号

臨床応用が広がるワイヤレスFPD最前線

胸部散乱X線補正アルゴリズム“SkyFlow”

2013年のRSNAにてカセッテ型ワイヤレスフラットパネルディテクタ「SkyPlate」を発表し,同時に付属のアプリケーションである胸部散乱X線補正アルゴリズム“SkyFlow”も発表しました。本稿では,このSkyFlowについて紹介します。

●SkyFlowの技術的特長
SkyFlowは胸部正面撮影において,グリッドレス撮影を可能とするアプリケーションです。2つのステップから作られており,1ステップ目は散乱線画像の同定,2ステップ目はグリッドと同等のコントラストなどを与える,となります。
散乱線画像の同定では,モンテカルロシミュレーションによりモデル化された散乱線分布のデータベースから,散乱線だけの画像データを作り出します(図1)。この際,実際に撮影された条件(管電圧,SID,被写体厚など)は入力の必要がなく,画像データより散乱線含有量を計算し,画像化しています。散乱線画像は低周波画像であることから低解像度の画像で計算することが可能で,作成時間は短時間ですむよう設計されています。
得られた散乱線画像を元データから減算するのみだと,既存の画像と大きな違いがあるため,IEC60627で規定されているコントラスト改善係数(K)および選択度(Σ)を使用し,実際のグリッドで本来得られるであろうコントラストなどを換算し,加算することで画像を作成しています。

図1 散乱線画像の同定

図1 散乱線画像の同定

 

●SkyFlowのメリット
SkyFlowを使用することで,グリッドのズレによる画像の劣化や,グリッドによるカットオフ,さらにはカットオフを起こさないように入念なポジショニングの必要性,これらすべての制約から解放されます。また,撮影線量はグリッドなしで撮影する場合と同程度でよく,グリッド撮影と比較すると約40%(対CsIタイプのFPD)の低減が可能です。

SkyFlowの適応範囲は今後広がる予定です。一般撮影領域におけるグリッドの概念が変わり,大きな変化が訪れるのではないかと予想します。

 

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