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岡崎外科医院 
APERTO Lucentを診療の柱に据え,頭痛診療を中心に患者の期待に応える医療を展開
320°の開口径が明るく安心できる検査環境を提供

2017-4-25


岡崎外科医院

茨城県常陸大宮市の岡崎外科医院は,2016年10月に日立製作所社製永久磁石型0.4TオープンMRI「APERTO Lucent」を導入し,それまで近隣病院への依頼などで対応してきたMRI検査を,自院でいつでも提供できる環境を整えた。検査当日に結果説明を行えるようになったことで患者の不安を軽減するとともに,力を入れる頭痛診療においても迅速で確実な診断,そして治療へとつなげられるようになった。APERTO Lucentをどのように活用し,患者の期待に応えているのか,岡崎匡雄院長と窪木洋一技師長にインタビューした。

岡崎匡雄 院長

岡崎匡雄 院長

窪木洋一 技師長

窪木洋一 技師長

 

 

ほかの医療機関でカバーしきれない傷病患者を外来・救急で診療

岡崎外科医院は,旧院の老朽化に伴い,2010年に現在地に新築移転した。同院の歴史は長く,確かな記録では1912年(大正元年)の開業までさかのぼることができる。長年,救急医療機関で脳神経外科医として外傷手術や血管内治療に携わってきた岡崎院長は,2002年に旧院に戻り,先代院長とともに診療を行ってきた。三代目を継いだ岡崎院長は,診療方針について,「地域には内科クリニックが多いので,当院では外傷や脳神経領域など,ほかの医療機関で扱わない傷病の診療にも取り組んでいます。移転にあたっては,軽症の方から外傷も含めた救急まで,どんな患者さんでも対応できることをめざしました」と説明する。患者からの信頼は厚く,ときには医療以外の相談まで寄せられることから,岡崎院長は同院を“よろず相談所”と表現する。
同院の造りは半円形建築となっており,待合室を中心に,同心円状に診察スペース,バックヤードが配されている。この構造により,患者とスタッフの動線を効率化するとともに,玄関とは別にバックヤードに直結する救急用の出入り口を設けることで,患者のトリアージが可能となっている。岡崎院長は,「出入り口を分けることで,外来患者さんに影響することなく,外傷で出血がひどい場合や,感染症が疑われる方,救急搬送されてくる方の受け入れもできます」と説明する。実際,救急搬入や,同院から病院へ救急搬送する件数は多く,年間50件以上に上る。
外来は1日平均70〜80名で,内訳は創傷治療が3割,生活習慣病が2〜3割,整形外科の慢性疾患が2割などとなっている。さらに岡崎院長は,週に一度,地域の中核病院である常陸大宮済生会病院で外来を行っており,高度な治療が必要な症例にも,病院との密な連携で対応している。

待たせない検査と診療の高度化のためMRI導入を決意

同院では旧院のころより,「ここでMRI検査を受けたい」という患者の声に応え,MRI装置を車載したモバイルサービス(フリール社)を月2回利用してきた。また,中核病院がMRIの検査予約を開始してからは,モバイルサービスと併用して1か月あたり40〜50件のMRI検査を依頼してきたが,「中核病院は,以前は緊急の当日検査も可能でしたが,水戸市内のMRI装置不足で中核病院に検査が回ってくるようになり,検査予約を取りにくくなってきました」と,岡崎院長は状況の変化を説明する。
それに加え,岡崎院長には頭痛診療に注力していきたいとの思いがあったことから,MRI導入を決意し,2016年春ごろより導入に向け動き出した。
院内スペースの都合上,永久磁石型装置が選択肢となり,より高い画質を求めて磁場強度の高い0.4TのAPERTO Lucentが選定された。半円形建築の部屋の形は特殊なため,MRI室の新設は容易ではなかったが,APERTO Lucentのシングルピラー(1本柱)と,ガントリに対して斜めに寝台が設置されるという設置形式が幸いし,少しカーブする部屋の形にぴったりと合うように配置することができた。

少しカーブした部屋にぴったりと収まったAPERTO Lucent

少しカーブした部屋にぴったりと収まった
APERTO Lucent

 

シングルピラーによる広い開口径が明るく快適な検査環境を実現

患者にリラックスして検査を受けてもらいたいと考えた岡崎院長は,MRI室の壁面をAPERTO Lucentのモダリティカラーであるスマイルイエローと同じ黄色を基調とした,ぬくもりある手描きのイラストで飾ることで,ペイシェントフレンドリーな空間にした。
窪木技師長は,「検査機器を“何だか怖そう”と思う患者さんもいますが,MRI室に入るとイメージとまったく違うと驚かれます。部屋のデザインと,320°の広いガントリ開口が明るい印象を与え,安心感を持ってもらえるのだと思います。実際に検査を受けた患者さんには大変好評です」と話す。
APERTO Lucentのオープンデザインは,操作者にとってもセッティングや検査中に患者を観察しやすいなどメリットが大きい。操作性については,岡崎院長も,「こんなに簡単に操作できるのかと,初めは驚きました」と高く評価する。また,操作コンソールについて窪木技師長は,「以前の勤務先で使用していた他社装置のコンソールは,若い技師からも目が疲れるとの声が聞かれましたが,日立のGUIは見やすさがよく考えられていて,使用していても疲れを感じさせません」と使用感を述べる。

操作コンソールは見やすくわかりやすいGUIで操作者の負担を軽減

操作コンソールは見やすくわかりやすいGUIで
操作者の負担を軽減

 

検査内容を工夫し頭痛診療を中心にAPERTO Lucentを活用

APERTO Lucent は2016年10月に稼働を開始し,1日あたり4,5件の検査を実施している。検査目的は,2/3が出血や腫瘍,感染症などの二次性頭痛の除外診断,1/3が腰部脊柱管狭窄症や,運動麻痺・感覚麻痺がある患者を対象とした腰椎・頸椎の診断となっている。
頭部検査では,T1強調画像,T2強調画像,T2*強調画像,FLAIR画像,MRAをベースに,必要に応じて拡散強調画像,コロナル,サジタルなどを追加している。時間短縮のために,アキシャルは7mm厚,コロナルとサジタルは5mm厚で撮像しているが,診断には十分な画像を得られていると岡崎院長は話す。
「例えば,未破裂脳動脈瘤は4〜5mmで治療対象となりますが,APERTO LucentのMRAは予想以上に画質が良く,十分に診断できます。また,後頭部痛の患者さんでは,椎骨動脈解離を確認するために追加するBPAS(basi-parallel anatomical scanning)が2〜3分で撮像できます。血管外観を見るBPASと,血流を見るMRAを組み合わせることで解離や閉塞を診断でき,臨床上大変有用です」
このほか,頭痛や神経内科疾患疑いではサジタルを追加し,キアリ奇形や進行性核上性麻痺といったまれな疾患の見落としを防いでいる。

■症例1:蝶形骨洞炎

症例1:蝶形骨洞炎

45歳,男性。左後頭部痛を訴えて来院し,脳MRI検査を施行した。左蝶形骨洞に炎症所見を認める。
a:FLAIR,TR/TE=8000/90,FA:90°,スライス厚:7mm
b:T2WI,AX,TR/TE=4300/120,FA:90°,スライス厚:7mm

 

■症例2:頸椎変形

症例2:頸椎変形

56歳,男性。上肢のしびれ感を訴え,頸椎MRI検査を施行した。過度の運動による頸椎変形と診断された。
a:T2WI,SAG,TR/TE=2500/120,FA:90°,スライス厚:4.5mm
b:T1WI,SAG,TR/TE=500/23,FA:70°,スライス厚:4.5mm
c:T2WI,AX,TR/TE=1600/105,FA:90°,スライス厚:4.5mm

 

患者の期待に応えるためAPERTO Lucentを柱に診療を展開

岡崎院長は,MRI導入の効果を次のように述べる。
「中核病院への紹介検査が可能になった後も,収支的には特にメリットのないモバイルサービスを利用していたのは,検査当日にその場で結果説明を受けられることへの患者さんの期待の大きさを感じていたためです。APERTO Lucent導入により,その期待にいつでも応えられるようになり,患者さんの安心感,満足感につながっていると思います。また,MRIが当院受診のきっかけとなる,副次的な効果もあると感じています」
そして,今後のMRI活用について岡崎院長は,「ルーチンで使用している撮像法以外にも,頭痛診療に活用できる新たな撮像法も検討したいと考えています。また,頸椎の脊髄圧迫を評価するキネマティックMRIなど特殊な検査についても,日立の担当者と相談をしながら,可能な範囲で取り組んでいければと思います」と述べ,APERTO Lucentへの高い期待をにじませた。
同院では患者サービス向上の一環として,待ち時間の短縮をねらい,2017年4月から再診患者向けにスマートフォンやPCを使った遠隔診療も開始する予定だ。岡崎院長は最後に,同院の今後について,「APERTO Lucentは,いっそう力を入れたい頭痛診療に大きく貢献してくれるものと期待しています。MRIと遠隔診療を当院の2本柱に,救急診療も含めて,地域の期待に応えられる診療に取り組んでいきます」と展望した。

(2017年2月22日取材)

 

岡崎外科医院

〒319-2265
茨城県常陸大宮市中富町1003-6
TEL 0295-52-0547
診療科目:外科,内科

 

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