技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)

2013年12月号

最新ビューワ&タブレットソリューション

東芝医用情報システム「RapideyeCore」の最新ビューワ機能(ビューワ)

小田  諭(営業本部SI営業部)

東芝は,1980年代よりPACSに取り組み,すでに30年近い歴史を持つ。ビューワに関しては,ワークステーションタイプから始まり,現在は主流のWeb方式である。ビューワを使うユーザーも放射線科の医師だけから,院内のさまざまな職種にと増えてきている。多様な現場で使えるビューワを搭載している「RapideyeCore」の特長を以下に述べる。

■フィルム感覚のビューワ

院内におけるさまざまな職種の方が,現行のアナログ作業の動作と同じ感覚で操作できるよう,マニュアルを見ることなく,感覚的に操作できる仕組みを採用した。また,起動時からシート状に,フィルムと同様に1回の撮影の画像を任意の枚数で並べて表示し,ボタン1つで次々にスキャンごとの画像を入れ替えるなど,シャウカステンとフィルムでの運用そのもののような使用法も可能である。院内に配信されるビューワは,アイコンやショートカットの設定,各種メニュー,マウス操作などのさまざまな設定を,ログインユーザーごとにサーバで一元管理しているため,院内のどの端末でも各ユーザーの設定を再現でき,いつもの作業環境で画像閲覧が可能である。

■読影効率化のための各種機能

1.直感的な操作性

使用頻度の高い操作に関しては,極力クリック回数を少なくしている。ページングできる一般的な表示機能では,造影前後や,CTとMRなど異なる任意の複数装置同士でも,スライス厚に依存することなく同じスライス位置を並べて表示し,スライスをめくりながら同期して比較できる。

2.膨大な読影量に対応するための各種サポート機能を搭載

ユーザー設定機能では,医師の読影スタイルに合わせた初期表示ができ,各モダリティの部位ごとに任意のレイアウトを起動時に表示可能である。ショートカットキーなどへ割り当てる機能も豊富で,表示するアイコンの種類,マウスの操作モードも好みの操作法で使用できる。また,読影中に作業を中断して別の画像を閲覧した場合でも,ワンタッチで元の患者の読影中の表示レイアウトに戻ることができる。任意のレイアウトを無制限に保存し,フォルダで管理することが可能で,どの端末でも簡単に再現できるため,読影室や医局など,時間の空いた時に一番近い端末でカンファレンスの準備をすることも可能である。

3.レポートとの連携

院内のどこからでも記入可能なWebレポートも提供。確定レポートはアイコンで表記され,閲覧や追記もビューワから行うことができる。添付されたキー画像をクリックすると,ビューワ上に対象のスライスが頭出しで表示され,そのまま前後のスライスの画像が確認できる。

4.検査内容が俯瞰できる検査カレンダー

各種ファイルの保存機能も搭載。患者ごとにJPEG(術中写真,摘出標本写真など),PDF(他院からの依頼伝票),各種動画などを,任意の日付で登録・表示できるフォルダをサーバ上に標準搭載し,さらに,各種検査を検査日付とともに時間軸でサムネイル表示する「検査カレンダー」(図1)上で一覧表示することが可能である。

図1 検査カレンダー

図1 検査カレンダー

 

5.デュアルMPR

診断機器がより精度の高い大量のデータを出力するようになり,MPRで読影する機会が増えてきている。東芝では,配信するデータはlosslessを用い,撮影時と変わりない画質を院内に提供している。MPR機能もすべての端末で使用可能で,東芝社製CTコンソールで使い慣れているMPRソフトと同じ操作性のものを採用している。さらに,比較読影に対応すべくデュアルMPR(図2)も可能である。

図2 デュアルMPR+MIP

図2 デュアルMPR+MIP

 

RapideyeCoreは,サーバによる使用権限管理と多彩なユーザー設定により,まったく別のビューワのような外見に設定することもでき,豊富な機能を保ったまま,多様な医療現場のさまざまなユーザーニーズに合わせることを可能にしている。
また,遠隔読影依頼,クラウドでの外部保存のインターフェイスの機能も搭載している。

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/

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