新社名のもと,“Made For Life”は新たなステージへ 
10周年を迎えたAquilion ONEのさらなる進化 
瀧口登志夫(東芝メディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長)

*最後に講演動画を掲載

2017-12-25


瀧口登志夫(東芝メディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長)

技術と文化の融合に期待

東芝メディカルシステムズは,2018年1月4日に「キヤノンメディカルシステムズ株式会社」へと社名変更し,新たなスタートを切ります。東芝メディカルシステムズとキヤノンは,すでに技術の融合を進め,生産現場の革新,新技術や製品の創出に向けて,50に及ぶプロジェクトが進行しています。新社名となる頃には,その成果のいくつかをご報告できるかもしれません。
2社の異なる技術,文化を融合することで,新たな化学反応を起こし,経営スローガンである“Made For Life〜患者さんのために,あなたのために,そしてともに歩むために”をさらに充実したものとするべく努力してまいります。

Aquilion ONE10周年と国内CT被ばく半減プロジェクト

320列ADCT「Aquilion ONE」は,2017年で10周年の節目を迎えました(図1)。本シンポジウムは,Global Standard CTとしてAquilion ONEの普及を図り,新たな臨床応用の分野を広げることを目的の一つとしています。そして,もう一つの目的が,2011年から展開している国内CT被ばく半減プロジェクトの進捗を報告することです。
われわれは2011年の本シンポジウムにおいて,逐次近似応用被ばく低減技術“AIDR 3D”の標準搭載をお約束しました。そして,その結果,現在販売しているすべてのCT装置にAIDR 3Dの搭載を実現し,国内で稼働する約1万2000台のCT装置の1/3にあたる4300台にAIDR 3Dがインストールされている計算になります。

図1 10周年を迎えたAquilion ONEの進化

図1 10周年を迎えたAquilion ONEの進化

 

さらなる被ばく低減をめざす“PUREViSION Optics”

CTによるX線照射には,画像生成に寄与しないエネルギーも含まれます。そこでわれわれは,X線出力から検出器までを見直し,X線エネルギー分布の最適化を図った新しいX線光学系技術“PUREViSION Optics”を開発しました。さらなる被ばく低減を可能にするPUREViSION Opticsは,2016年に製品化した新世代のAquilion ONE「Aquilion ONE/GENESIS Edition」,2017年に発売した世界初の高精細CT「Aquilion Precision」に搭載しています。現在は,主力ラインアップである「Aquilion Lightning」「Aquilion Lightning/Helios Edition」「Aquilion Prime SP」の3機種への搭載を進めており,よりいっそうの被ばく低減と高画質化を実現するシステムの提供を進めてまいります(図2)。
7回目となる本シンポジウムでは,10周年を迎えたAquilion ONEのこれまでの成果を振り返るとともに,最新の臨床応用をご報告いただき,ユーザーの皆さまとともに今後の発展の方向性について考えていきたいと思います。

図2 低被ばく・高機能装置ラインアップの拡大

図2 低被ばく・高機能装置ラインアップの拡大

 


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