大容量データの高速リアルタイム処理と豊富な画像処理機能が高く評価されている3D画像処理ワークステーション「ZIOSTATION」が中心となって展示された。特に注目を集めたのは「Multi Data 4 Phase Fusion」機能で，同じモダリティでは3つまで，異なるモダリティでは4つまでの画像がフュージョンできる。具体的には，例えばCTの遅延相，早期相，PET画像，MRI画像の組み合わせや，CTの腹部領域の静脈，動脈，門脈の画像にMRCPの画像を組み合わせるといったことが可能だ。これにより，腫瘍の位置と栄養血管の位置のより正確な同定や，複雑な血管の走行の確認などが可能になり，術前シミュレーションなどにも応用できる。従来製品よりも高速に処理できるようになり，実際の臨床でもストレスなく活用できるようになった。そのほか，データの読み込みから冠動脈の抽出，CPR・ストレートビュー表示，アンギオ様のMIP処理までをフルオートで高速処理する「冠動脈解析」機能や，ボリュームデータから胃や大腸を自動抽出して，オーバービュー画像からリアルタイム仮想内視鏡までをフルオートで処理できる「大腸解析」機能，頭部領域のダイナミックCTおよびMRIのデータを画像処理して脳の血流状態を定量的，視覚的に評価できる「脳血流解析」機能なども，画像処理速度が向上した。

同社独自のネットワーク技術であるVolume GRIDを搭載し，最大20台の汎用PCからの同時アクセスが可能な「ZIOSTATION System 1000」。大量のボリュームデータを転送することなく，リアルタイムに画像処理した結果画像だけをクライアント端末に転送することで，汎用PCでも3Dワークステーション並みの高度な画像処理を行うことができる。1000スライス以上の画像の高速ページングや，自動骨外し機能，自動血管解析機能，大腸全体の仮想内視鏡像を1画面で表示する機能などが搭載されているほか，データサーバは最大40TBまでの拡張が可能だ。