富士フイルム(株)は9月4日(火),本社(東京都港区)にて,レーザー光源搭載の新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」の製品発表会を開催した。
説明会では,最初に, 同社取締役・常務執行役員メディカルシステム事業部長の玉井光一氏が,富士フイルムのメディカルシステム事業における,内視鏡システム事業の取り組みについて説明した。LASEREOについては,「経鼻内視鏡,ダブルバルーン内視鏡など,ユニークな製品で市場を創造してきた同社の内視鏡製品に加えて,今回,画像処理技術とレーザー技術を組み合わせた新しい製品を発表するに至った。5月の日本消化器内視鏡学会で発表したところ,“明るく診断しやすい”,“表面の病変がよく見える”との反響があり,LASEREOが,内視鏡の診断や技術を変える可能性がある」と,将来性への期待を述べた。
続いて,同社執行役員R&D統括本部メディカルシステム開発センター副センター長の早川利朗氏が,LASEREOの製品紹介を行った。「LASEREOには,デジタルX線診断機器FCRなどで培ったレーザー技術,一般写真で培った画像処理技術が融合されている。また,従来のキセノン光源からレーザー光源に変えることで,高画質と省電力を実現している。2種類のレーザー(BLI用レーザー,白色光用レーザー)の強度を変えることで,通常の観察に適した「白色光モード」,表層微細血管の観察が可能な「BLIモード」,スクリーニング目的の観察が可能な「BLI-blightモード」の3つのモードでの診断を可能にした。国立がん研究センターと共同研究している低酸素イメージングの臨床応用を含め,将来の新たな診断機能をリードしていく機器になりうる」と述べた。
最後に,北海道大学病院光学医療診断部診療教授の加藤元嗣氏が「新世代内視鏡システムの可能性」と題して,同製品の臨床的価値について臨床動画像を交えて講演した。「レーザー光源によって,通常の白色光観察に加えて,明るさを維持した狭帯域光による観察ができるようになった。表面画像と血管を強調した画像を組み合わせて見ることで,表面画像のみでは判断の難しかったがんの診断に非常に役立つ。形態診断に加えて病態の機能を見ることができるようになったということで,まったく新しい可能性を広げる内視鏡である」と述べた。 |