ビル・エプリング社長
医療機関における情報システムのユーザーメードの構築を支えているのが,FileMakerである。今回のJ-SUMMITS Special Seminarの開催も中心的にサポートした。
ファイルメーカーは米国Apple社の100%子会社であり,主力製品であるFileMakerは全世界で17言語,60か国で1800万本以上が販売されている。中でも日本はその25%を占める重要な市場と位置づけられている。セミナーのプレゼンテーションで仙台での無料セミナー開催などサポートプログラムを発表し,最後に日本語で“がんばれ東北”とメッセージを送ったビル・エプリング社長に,日本でのユーザーメードの活動と復興支援への取り組みをインタビューした。
— J-SUMMITS Special Seminarへの協賛についてお聞かせください。
● FileMakerを積極的に活用されているユーザーによるセミナーの開催は,FileMakerのマーケットを広げてくれる活動としてうれしいことで,われわれとしてもスタッフの派遣やFBA(FileMaker Business Alliance)メンバーの誘致などで支援しています。なにより,大きな災害の被害を受けた東北の地で,復興に向けた取り組みのひとつとして少しでも貢献できることがうれしいですね。
日本の医療分野でのFileMakerの利用状況は,一般病院で46%,大学病院に限れば163施設のうち88%で利用されています。その中でも,J-SUMMITSはFileMakerを深く理解し,高いスキルを持つパワーユーザーの集まりであり,FileMakerによるシステムの構築に関して他のユーザーに大きな影響力を持つ心強い存在です。
— 東日本大震災の復興支援の活動についておうかがいします。
● セミナーでも紹介しましたが,6,7月に仙台でハンズオンセミナーを無料で開催するほか,7月にはFileMaker開発技術者養成講座を半額で提供する予定です。東北では,政府を中心に震災の復興支援が行われていますが,われわれとしてはFileMakerの開発者トレーニングなどを通じて若い人たちのスキルアップをサポートし,FileMakerによるスタートアップや雇用創出につながればと考えています。今回,仙台だけでなく石巻などの被災地を視察して一層その想いを強くしました。
— インナビネットの読者にメッセージをお願いします。
● FileMakerは,医療分野では“ユーザーメード”のアプリケーションを作るソフトウエアとしては市場をリードしています。シェアではMacとiOSでは1位,Windowsで2位であり,この3つのプラットフォームをカバーする唯一のソフトウエアです。誰でもすぐに始めることができ,どんな環境でも対応でき,効率的な運用が可能になります。さらに,新しいバージョン12では,iOS向けのFileMaker Goが無料となり,より簡単にFileMaker Pro 12で作成されたデータベースアプリを活用できるようになりました。FileMaker Goのオブジェクトフィールドでは,画像や音声などのマルチメディアファイルを簡単に取り込め,画像データをiPadなどでどこでも扱うことができますので,放射線領域での診療支援に大きな力を発揮できるでしょう。 |