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取材報告

2012
「第5回どこでもMYカルテ研究会」が開催

黒岩祐治 知事
黒岩祐治 知事

演者全員による総合討論会
演者全員による総合討論会

  「第5回どこでもMYカルテ研究会」が2012年6月2日(土)に,東京海上日動ビル新館(東京都千代田区)において開催された。共催は,医療構想・千葉とNPO法人医療福祉ネットワーク千葉。この研究会は,「患者情報は患者のもの」という考えに基づきITを活用した情報共有・連携の仕組みについて意見交換することを目的に,千葉市の医師会,病院関係者らが結成した。2010年に第1回の研究会が行われた。

  今回の研究会は「医療・介護・福祉を結ぶどこでもMyカルテ」と題して,2012年度の診療報酬改定において在宅医療や医療・介護連携に手厚い評価がされるといった状況を受け,地域連携の中で情報共有を進めていく上での方策について,各地域からの事例が発表された。総合司会は,順天堂大学健康学科教授の田城孝雄氏と東京厚生年金病院内科部長の溝尾 朗氏が務めた。まず,どこでもMYカルテ研究会の増山 茂氏(東京医科大学渡航者医療センター)が挨拶を行った後,福岡県の姫野病院のクラウド事例(同院・姫野信吉氏)や桜新町アーバンクリニックの地域連携システムによる在宅医療での情報共有(同クリニック・片山智栄氏),長野県須坂市の地域見守り支援システム(メディカルアイ・山口典枝氏),長崎県のあじさいネットワーク(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療情報学・松本武浩氏)の発表があった。

  また,休憩を挟んで,医療法人社団KNI理事長の北原茂実氏が「この国を崩壊から救うために〜(株)北原脳神経外科病院の挑戦〜」と題して講演をしたほか,神奈川県が進めているEHR,PHRについて,黒岩祐治知事が紹介した上で,慶應義塾大学湘南キャンパスの森川富昭氏が,データベースや運用の仕組みを解説した。このほか,認知症対策の重要性が高まっている現状を踏まえ,国立精神・神経医療研究センターの伊藤弘人氏が「次期医療計画と精神疾患・認知症・情報共有・地域連携」と題して講演した。

  すべての演題が終了した後には,総合討論会が設けられた。会場内の約150名の参加者からも質問を受け付け活発な議論が行われるなど,最後まで盛り上がりを見せて閉会した。


●問い合わせ先
どこでもMYカルテ研究会
事務局
E-mail dokodemomyrecord@gmail.com


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