取材報告

2007
AZE 「INNOVATIVE AZE 2007 TOKYO」開催


会場風景
会場風景

関橋秀治氏
開会の挨拶をする
株式会社AZE取締役副社長・
関橋秀治氏

望月輝一氏
座長:望月輝一氏
(愛媛大学医学部放射線
医学教室教授)
(写真1)

東野 博氏
東野 博氏
(愛媛大学医学部附属病院
放射線科)
(写真2)

片平和博氏
片平和博氏
(熊本中央病院放射線科医長)
(写真3)

佐久間 肇氏
座長:佐久間 肇氏
( 三重大学医学部附属病院
中央放射線部准教授)
(写真4)

北川覚也氏
北川覚也氏
(Johns Hopkins University
Division of Cardiology)
(写真5)

寺島正浩氏
寺島正浩氏
(Stanford University Medical
Center Division of
Cardiovascular Medicine)
(写真6)

畦元将吾氏
株式会社 AZE代表取締役社長
畦元将吾氏
(写真7)

 医用画像解析ソフトウエアの開発・販売を行う株式会社AZEは10月19日(金),講演会「INNOVATIVE AZE 2007 TOKYO」をCONRAD TOKYO(東京・品川)にて開催した。13回目となる今回は,心臓の解析や読影に関する最先端技術を中心に,国内外から著名な演者を招いて講演が行われた。

 第1部は,望月輝一氏(愛媛大学医学部放射線医学教室教授)(写真1)を座長に,東野 博氏(愛媛大学医学部附属病院放射線科)(写真2)による「マルチモダリティ心臓解析(フュージョン)」,および片平和博氏(熊本中央病院放射線科医長)(写真3)による「冠動脈CTの新たなる快適読影法─AZE terminal serviceを用いて─」の講演が行われた。東野氏は,CTデータから得られる心筋灌流,生存能,心機能情報とCTAのフュージョンをはじめ,核医学やMRIも含めたマルチモダリティによるフュージョンが心臓診断にとって有用であるとした。このようなマルチモダリティのフュージョンは容易ではなく,より精密にするための技術開発がワークステーションベンダーには望まれると,AZEの開発に期待を寄せた。片平氏は,マルチスライスCT(特に64列)による冠動脈CTが普及し,ニーズが高まってきたが,CPRなどの画像再構成に時間がかかるため検査数が制限されているのが現状であるとし,画像解析と読影がネックになっていると指摘。それを解決するためには,ネットワークでつながった端末で任意の断面が自由に閲覧できるシステムが理想であり,それを実現するのが「AZE terminal service」だとした。原画像を用いた簡易ボリューム閲覧ソフトであるAZE terminal serviceは,CPRの3D読影やフェイズ情報の一括閲覧機能などを端末上で可能とし,最大20台まで接続できる。

 続いて第2部は,佐久間 肇氏(三重大学医学部附属病院中央放射線部准教授)(写真4)を座長に,Johns Hopkins University Division of Cardiologyの北川覚也氏(写真5)による「パトラック法を用いた心筋パーフュージョンMRIの定量解析」,およびStanford University Medical Center Division of Cardiovascular Medicineの寺島正浩氏(写真6)による「動脈硬化プラークイメージング─Atherosclerotic plaque imaging by MRI─」の講演が行われた。北川氏は三重大学から2006年にJohns Hopkins Universityに渡り,循環器科でCTとMRIの研究を行っている。心筋虚血の新しい診断法として期待される心筋パーフュージョンMRIの診断能を高めるには,定量解析法の導入が効果的であり,パトラック法による心筋パーフュージョンMRIの心筋血流解析はPETに匹敵する結果が得られるという。現在,心臓の情報は膨大になってきており,効率的な解析・評価方法が必要であると述べた。寺島氏は神戸大学出身の循環器内科医で,2003年からStanford University Medical Centerに渡り,2005年から心臓MR部門のスタッフドクターとして活躍している。今回は,動脈硬化性病変(プラーク)の検出はもとより,MRIによる脳梗塞や心筋梗塞につながりやすいハイリスクのプラークの同定,およびハイリスク患者の同定に関する同大学の取り組みを中心に講演。Black-blood coronary MRAや遅延造影MRI,さらにMolecular and cellular imagingなどの有用性を強調し,将来的にはプラークの形態から炎症へ,そして,すでに欧州では認可済みの鉄の造影剤によるマクロファージの画像化 へと進むことが期待されるとした。

 最後に,株式会社 AZE・畦元将吾代表取締役社長(写真7)から新製品の紹介が行われた。同社の主力製品「AZE Virtual Place」は国内稼働台数が700台に届き,米国のFDAも取得して海外でも高く評価されているという。畦元社長は"AZEは常に現場にいます"をモットーに,3D高画質,マニュアル不要の操作性,ネットワーク型WSを製品開発のコンセプトとして挙げた。そして,データ転送高速化,全自動冠動脈解析,CT細血管解析・CPR表示強化,マルチボリュームフュージョン内視鏡,脳血管自動抽出,terminal service強化(20ライセンス・2008年早々)など,年内リリース予定のソフトについても発表した。

 なお,AZEパワーアップセミナー「和心伝心」を11月17日(土)の東京を皮切りに,大阪,福岡,愛知,北海道などで2008年8月までに19回にわたって開催するとした。

AZE Virtual Place Terminal Service
AZE Virtual Place Terminal Service

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株式会社 AZE
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-1-1 大手町野村ビル10F
TEL 03-5255-7721 FAX 03-5255-7722
E-mail info@aze.co.jp
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