取材報告

2007
東大病院が
「日本・スウェーデン がん対策国際協調セミナー」を開催

Goran Hagglund氏と永井良三 氏
Goran Hagglund氏と永井良三 氏
(写真1)

外口 崇 氏
外口 崇 氏
(写真2)

中川恵一 氏
中川恵一 氏
(写真3)

 東京大学医学部附属病院による「日本・スウェーデンがん対策国際協調セミナー」が3月27日(火),同院レセプションルームにおいて開催された。同セミナーは,4月1日のがん対策基本法の施行を直前に控え,がん対策の先進国であるスウェーデンの厚労大臣Goran Hagglund氏(写真1左)を招いて行われた。

  Hagglund氏は,両国は生活,教育,研究開発において高い水準を持ち,また高齢化社会や出生率の低下といった共通点が多いと述べた。スウェーデンのがん治療に対する取り組みを紹介し,「放射線治療をはじめとするがん医療において両国関係の強化,向上を希望する」とスピーチした。また,東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一氏(写真3)が,日本とスウェーデンにおけるがんとその対策について講演。両国は,医療費が低い点で共通しているものの,日本と比較してスウェーデンのがん死亡率は低く抑えられていると述べた。スウェーデンでは,がん患者の54%が放射線治療を受けているのに対し,日本では25%にすぎないことから,放射線治療の重要性を指摘した。また,日本においても放射線治療件数は増加しており,将来的にはがん患者の約半数が放射線治療を受けるようになる可能性を示した。このほか,東京大学医学部附属病院院長の永井良三氏(写真1右)と厚生労働省健康局長の外口 崇氏(写真2)が挨拶に立ち,両国のさらなる交流の進展に期待を述べた。


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