取材報告

2006
シーメンス旭メディテック,全国6都市で
「RSNA2006速報セミナー」を開催

多くの参加者があった東京会場
多くの参加者があった東京会場

スティーヴン・ファインバーグ 氏
スティーヴン・
ファインバーグ 氏
(写真1)


和田幸人 氏
和田幸人 氏
(写真2)

 シーメンス旭メディテック(株)は2006年12月9日(土),コンラッド東京で,「RSNA2006速報セミナー」を開催した。これは,11月26日(日)〜12月1日(金)に行われた第92回北米放射線学会(RSNA2006)で発表,展示された新製品,最新技術の詳細について,日本国内のユーザーに紹介する同社主催のセミナー。昨年までは“Flash Report Seminar”と称していた。

 この12月9日には,東京会場(定員250名)以外でも,札幌会場(定員120名),大阪会場(定員200名)の計3会場で行われた。また,翌週の12月16日(土)には,仙台会場(定員200名),名古屋会場(定員120名),福岡会場(定員100名)でも開催された。東京会場では,2006年10月の株主総会で代表取締役社長に選任されたスティーヴン・ファインバーグ氏(写真1)が,セミナー開始に先立ち主催者挨拶を行った。同氏は,世界のシーメンスにおけるブランドメッセージである“Proven Outcomes”について説明。ユーザーと協力しながら,より良い医療サービスを社会に提供してきたいと,同社の姿勢を示した。

 RSNA2006において,シーメンスはマコーミックプレイスのサウスビルディングに広大なブースを展開した。展示コンセプトは,“Integrated Radiology Workfolow”である。また,日本語のキャッチコピーとして「すべての患者ひとりひとりのための最適なソリューション」という言葉を掲げた。これらのコンセプトに基づき,受け付けから検査,読影まで,あるいは予防から診断,治療までというワークフローを,来場者自らが体験できるように構成。モダリティのカテゴリーごとに,エントリーポイントを6か所,ワークスペースを18か所,リーディングルームを4か所に設けた。このほか,ストラテジーセンターでは将来の技術なども紹介した。同社はsyngoという各モダリティ共通のインターフェイスを診断,治療分野に提供してきたが,今後は,予防や早期発見,治療後のフォローアップのための“Soarian”を加え,ITによりトータルで診療環境を構築できるようにするという。

 セミナーは,埼玉医科大学病院中央放射線部技師長の和田幸人氏(写真2)を座長に迎え,AX(Angio & X-ray),CT,MI(Molecular Imaging),MRIの順番で,モダリティごとに同社の新製品と技術が紹介された。

 まず,AXでは,RSNAにおいて,新製品として,バイプレーンタイプの血管撮影装置「AXIOM Artis dBA TWIN」が出展された。この装置の特長は,側面側に30cm×38cmのディテクタを搭載したことで,頭部領域でのインターベンションなどに威力を発揮する。また,日本国内約30施設で稼働しているDynaCTについては,60f/s,14bit収集の高画質化が図られた。そのほか,設置面積の少ない「AXIOM Aristos FX Plus」やFluoroscopyも出展された。

 CTでは,2005年のRSNAで発表され話題を呼んだ「SOMTOM Difinition」と,Web上で読影が可能な64スライスCTの新製品「SOMATOM Sensation Web Selection」が展示された。セミ ナーでは,「SOMTOM Difinition」によるデュアルエナジーの症例画像などを紹介。「SOMATOM Sensation Web Selection」については,ワイヤレス環境や遠隔地でも,いつでもどこでも読影できる環境を構築できることをPRしていた。

 MIに関しては,RSNAではクリニカル,プレクリニカル,バイオマーカーというトータルでのソリューションを提供できることが紹介された。装置としては,“True Point”をコンセプトにしたSPECT/CT「Symbia」,PET/CT「biograph」のほか,小動物実験向けのPETとCT,SPECTの組み合わせが可能な「Inveon」を展示した。

 また,MRIでは,Timの最新テクノロジーである「TimCT」が紹介された。RSNAで発表されたTimCTは,テーブルをスムーズに移動させながら撮像を行うというもの。高速撮像が可能になり,時間分解能が向上する。同社では,Timの技術による最新アプリケーションを搭載したMRIをT-classとして展開していくことにしている。また,今回のRSNAで参考出展されたPET/MRIも,その技術の一端が紹介された。

 こうした同社の最新技術の多くは,2007年4月13日(金)〜15日(日)にパシフィコ横浜展示ホールで行われる2007国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2007)で目にすることができる。


●問い合わせ先
シーメンス旭メディテック(株)
マーケティングコミュニケーショングループ
TEL 03-5423-8421