取材報告

2006

シーメンス,「S.F.J.-Siemens Japan Forum」
プレビューおよび社長会見を開催


記者会見風景
記者会見風景

S.F.J.-Siemens Japan Forum
S.F.J.-Siemens Japan Forum


ヨッヘン・ディック 氏
ヨッヘン・ディック 氏
(写真1)

ウォルフガング・バイツ 氏
ウォルフガング・バイツ 氏
(写真2)

 シーメンス旭メディテック(株)は,日本におけるシーメンスグループ全体の情報発信の場として開設する「S.F.J.-Siemens Japan Forum」のプレス・プレビューを9月19日(火),同本社(東京都品川区東五反田3-20-14高輪パークタワー)において開催した。S.F.J.は,本社1階・中2階に開設され,2006年10月にオープンした。メディカル部門のコーナーも設けられており,今後はセミナーの開催や機器紹介などの拠点として,積極的に情報発信を行っていく。

 プレス・プレビューでは,S.F.J.の見学のほか,同社社長のヨッヘン・ディック氏の記者会見や,同社の新たな取り組み,ヘルスケアITビジネスの紹介,将来展望などをテーマとした個別インタビューが行われた。

 記者会見では,はじめにシーメンス(株)取締役副社長のウォルフガング・バイツ氏(写真2)が,シーメンスグループについて紹介し,S.F.J.の開設の目的について説明した。

 続いて,シーメンス旭メディテック(株)社長のヨッヘン・ディック氏(写真1)が,シーメンス社の世界戦略と現況について述べた。同社は,2005年に約1兆2000億円の売り上げを実現。なかでも,シーメンスメディカルでは,3年以内に発売された新製品が売り上げ全体の約75%を占めていることを挙げ,年間約1500億円を投入して行われる研究開発によるイノベーションによって,マーケットシェアを7.1%引き上げることができたと報告した。また,シーメンス社における5分野の重点ビジネスの中でも,ヘルスケアは核であり,より高いクオリティと,より低いコストパフォーマンスを実現する医療サービスの提供を行っていくと述べた。さらに同氏は,この1年間にバイエル社の診断薬事業部,免疫診断分野では世界有数の企業であるダイアグノスティック・プロダクツ(DPC社),in vivo分野のCTI社の3社を約1兆円かけて買収したことで,分子医療ビジネスにおける体制が強化されたとし,今後は,分子医療とITシステムにより,適切なデータの統合と臨床応用が可能になると述べた。

 最後に,同社の国内における現況について,全システム稼働数が約4000台に達していることや,6年間で売り上げが約1.8倍になったことなどを報告。シーメンス社がグローバル企業として成長し続けるための礎として掲げる“Fit4More”(1.パフォーマンスとポートフォリオ,2.オペレーショナル・エクセレンス,3.ピープル・エクセレンス,4.企業責任:Corporate Responsibility)について紹介し,企業責任を積極的に受け入れる同社の姿勢を示す,新たな取り組みについて述べた。その取り組みの1つとして,持続可能な社会をめざし,装置のリプレイスなどで施設から回収した製品パーツを利用し,新たな製品を製造・販売する,環境に配慮した循環型システム「Rebio(レビオ)」について紹介した。

*Rebioとは:ドイツ語で“いのち”を意味する「bio」と,英語で“繰り返し”を意味する「Re」を組み合わせた造語で「生命の再生」を意味する。同社では現在,世界の大都市の都市づくりや環境整備に働きかけ,社会とともに成長していくことをめざす“MEGA Trend”という活動を展開しており,Rebioもその活動の一環として行われている。


●問い合わせ先
シーメンス旭メディテック株式会社
マーケティング本部:平山
TEL 03-5423-8340 FAX 03-5423-8494
http://www.medical.siemens.com