取材報告

2006

GEヘルスケア,「GE Healthcare European Media Summit」
ロンドンにて開催


サミット風景
サミット風景
オックスフォード大学ジョンラドクリフ病院のDr. スティーブ・ウェスタビー(右)と参加した患者たち

リン・ゲイリー 氏
リン・ゲイリー 氏
(写真1)

ジャン・ミシェル・コセリー 氏
ジャン・ミシェル・
コセリー 氏
(写真2)

Dr. リサ・ケネディ
Dr. リサ・ケネディ
(写真3)

Chain of Hopeへの 「Vivid i」寄贈式の様子
Chain of Hopeへの
「Vivid i」寄贈式の様子

 英国に本社を置くGEヘルスケアは,9月5〜6日,ロンドンのThe Hospitalにて「GE Healthcare European Media Summit」を開催した。同サミットでは,同社の方向性である“Healthcare Re-imagined(ヘルスケアの常識を超える。イマジネーションで超える――Late DiseaseからEarly Healthへ――)”に関する基調講演をはじめ,ヘルスケアの経済学,分子イメージングのほか,腫瘍学・神経学・心臓学の権威によるプレゼンテーションなど,疾患の症状や兆候を早期に発見することの重要性について活発に議論がなされた。

 同社グローバル・コミュニケーション・リーダーのリン・ゲイリー氏(写真1)が開会の挨拶を述べ,続く基調講演では,同社の最高マーケティング責任者であるジャン・ミシェル・コセリー氏(写真2)が次のように述べた。

 「当社の患者モニタシステムには,乳幼児期の特定の疾患に対する罹患率を明らかにすることで,病気の早期発見を実現する技術が用いられている。家系の病歴を調べ,各種の診断技術を利用することによって,患者一人ひとりに応じた治療が可能となり,また,遺伝学の進歩に伴って治療効率はさらに向上する。分子生物学やナノテクノロジーを用いた検査技術の開発には巨額の資金が必要であ るが,長期的に見ると十分なメリットをもたらし,これらの技術は,予防や患者一人ひとりに合わせた治療に役立つため,高価な医薬品投与を削減できるであろう」

 同社のヘルスエコノミクス統括のDr. リサ・ケネディ(写真3)は,「国家がヘルスケア分野の予算を増額するだけでは,社会全体のヘルスケア問題に顕著な影響を及ぼすことはできないであろう」と述べ,次のように続けた。

 「ヘルスケアプロバイダーが予防ではなく,疾患の治療を重視し続けるかぎり,人々の健康状態を大幅に改善することは難しいであろう。英国の統計データによると,英国のヘルスケア予算の64%は治療に,35%は関連合併症対策に使用されており,病気の予防と診断に投じられているのは1%に過ぎず,東欧,中欧においてもこの比率は変わらない。適切な診断は,病気の早期発見を可能にし,ひいては治療を容易にするため,医療費の削減にもつながる。例えば,英国ではパーキンソン病の治療に要するコストは,患者によって5400〜2万7000ポンドとばらつきがあり,早期に発見するほど治療費を削減できる傾向にある」

 さらに,Dr. リサ・ケネディは,長く生きることとヘルスケアのコストとの関係性に言及し,疾患に対して低コストで最大限の効果を得られる方法への関心はますます高まりつつあるとした。

 また,同サミットでは,英国の心臓内科医のグループ「Chain of Hope」に同社の可搬型超音波診断装置「Vivid i」が寄贈された。Chain of Hopeとは,心臓病を患う子どもたちの治療や,地域の医師がインターベンションなど多種の治療を継続できるよう指導するために世界中を駆け巡り活躍している医師のグループで,GEヘルスケアは,医師自らが必要とされる場所に持っていって診断が可能なVivid iの提供により,Chain of Hopeの活動を支援していく。

 GEヘルスケアは,今後も報道関係者に,同社がめざす“Healthcare Re-imagined”への理解を深めることができる機会を提供し,発症前に病気を発見・予防し,早期診断・早期治療を実現するための“Early Health”の浸透を図っていくという。その初の試みとなった同サミットには,世界12か国より74名の報道関係者が出席した。


●問い合わせ先
GE 横河メディカルシステム(株)
広報担当:松井
TEL 042-585-9249
(株)プラップジャパン 広報担当:榎本
TEL 03-3486-7131