取材報告

2006
MRマンモグラフィ研究会が設立総会を開催
MRマンモグラフィ診断の普及と診断基準の策定をめざして


中村清吾 氏
中村清吾 氏
(写真1)


Robert J.Herfkens 氏
Robert J.Herfkens 氏
(写真2)


戸崎光宏 氏
戸崎光宏 氏
(写真3)


坂元吾偉 氏
坂元吾偉 氏
(写真4)


岡崎正敏氏
閉会の挨拶に立つ
岡崎正敏氏(福岡大学)

 聖路加国際病院ブレストセンター長の中村清吾氏(写真1)と聖路加国際病院放射線科医長の角田博子氏,癌研究所病理部副部長の秋山 太氏を発起人とする「MRマンモグラフィ研究会」が発足し2月18日(土),聖路加国際病院(東京)にて設立総会が開催された。近年,日本でもMRIが乳房の診断に使用されるようになり,乳房温存療法の適応拡大に伴い,乳がんの広がり診断や良悪性の鑑別診断において,その有用性が期待されている。X線マンモグラフィや超音波による検査後の精査に用いられる機会が増えると予想されることから,グローバルな診断用語のガイドラインである「BI-RADS」に沿った診断基準の策定と,精度の高いMRマンモグラフィ診断の普及をめざし,2006年1月に同研究会が設立された。

 設立総会では,はじめに発起人の中村氏がMRマンモグラフィの有用性について述べ,日本での活用法や撮像法などを検証するとともに,診断基準の策定へ向け議論を深めていきたいと挨拶した。続いて,アメリカ・スタンフォード大学のRobert J.Herfkens氏(写真2)が,世界的な乳房画像診断のガイドラインであるBI-RADSについて,「BI-RADS MR mammography診断基準の重要性」と題して特別講演を行った。また,慈恵会医科大学の戸崎光宏氏(写真3)による講演「BI-RADS-MRIを本邦で普及させるためには」のほか,MRマンモグラフィ,超音波,病理などの実際の画像を示しながら,それぞれの症例についてBI-RADSに則った検討を行うパネルディスカッション「BI-RADS診断基準を用いたFilm-Reading」,癌研究所乳腺病理部長の坂元吾偉氏(写真4)による特別講演「病理からみた画像診断の役割」なども行われた。なかでも,パネルディスカッションでは,満席となった会場から症例の検討に対して活発な意見が述べられ,Herfkens氏からも具体的なアドバイスがなされるなど,充実したものとなった。今後もこのような検討を重ねることで,診断基準の策定に向けた活動を続けていく。

 次回は11月19日(日)に,仙台にて第1回目の研究会が開催される予定である。

 

受付風景
受付風景


パネルディスカッション風景
パネルディスカッション風景


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