取材報告

2006
平成17年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
―静岡県版電子カルテの概要と現状についても報告

木村通男 氏
木村通男 氏
(写真1)

中村 達 氏
中村 達 氏
(写真2)

大桑 剛 氏
大桑 剛 氏
(写真3)

中村一幸 氏
中村一幸 氏
(写真4)

電子紹介状作成,受け渡しのデモンストレーション風景
電子紹介状作成,受け渡しの
デモンストレーション風景

ホスピタリティルーム風景
ホスピタリティルーム風景

 2006年1月26日(木),27日(金)の 2日間,アクトシティ浜松・コングレスセンター(浜松市)にて,「平成17年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議」が開催された。今大会の大会長は,浜松医科大学附属病院医療情報部教授の木村通男氏(写真1)で,テーマは“大学病院のレゾンデートル−−大学病院の社会的役割を支える医療情報”。大会1日目は,「内外のEHRプロジェクト状況と事例報告:静岡県版電子カルテ」と題した講演も行われた。

 冒頭,開会式において浜松医科大学附属病院長の中村 達氏(写真2)が挨拶し,次に静岡県健康福祉部医療室の大桑 剛氏(写真3)が来賓挨拶を述べた。

 続いて,会場そのままに「分科会1 治験」,別室では講演「内外のEHRプロジェクト状況と事例報告:静岡県版電子カルテ」が行われた。「内外のEHRプロジェクト状況と事例報告:静岡県版電子カルテ」では,木村氏がコーディネーターを務め,厚生労働省医政局研究開発振興課医療機器・情報室の中村一幸氏(写真4)が指定発言を行った。木村氏は講演のなかで,イギリスやアメリカなどにおける国家的EHRプロジェクトの概要と進行状況について説明をした。また,木村氏 自身が進めているEHRプロジェクトである静岡県版電子カルテシステムの概要と現在の状況についても発表した。プロジェクトに参加の追手町病院における 電子紹介状作成,受け渡しのデモンストレーションを加えてその有用性が説明された。

 また,別会場に設けられたホスピタリティルームでは,静岡県版電子カルテシステム受注ベンダー5社,富士通,NEC,NTTデータ,ソフトウェア・サービス,エスビーエス情報情報システムをはじめ,“静岡県版電子カルテ企業連合”の各ベンダーが出展した。“静岡県版電子カルテ連動診療所向け電子カルテレセコン”展示コーナーでは,エスアールエル,サン・ジャパン,SANYO,パルステック工業,BMLが各々開発中の診療所向け電子カルテやレセコンを披露。保険薬局での頭書情報や処方内容を迅速,かつミスなく入力できる“処方箋二次元コード入力ソフト”があったりと,各社とも独自の色を出した製品がそろった。利便性を考慮しフリーハンド入力も多分に残すなどして,各ベンダーとも患者情報の入力・抽出の簡易性も追求していた。いずれのシステムも患者情報の取り違えには注意を払い,起こらないようシステムの運用プログラムの工夫には余念がないという。

 静岡県版電子カルテシステムは,厚生労働省の委託を受けて他の都道府県にも広める未来図も描かれている。政府がレセプトの電子化をはじめとした医療のIT化を進めているなか,本プロジェクトは生き残りを賭ける中小規模の病院や診療所,地域医療を手掛ける市町村の自治体の光明となるに違いない。

静岡県版電子カルテシステムプロジェクトのメンバー
静岡県版電子カルテシステム
プロジェクトのメンバー
(中央:木村氏)
展示
展示

●問い合わせ先
浜松医科大学附属病院
医療情報部
TEL 053-435-2770 FAX 053-435-2769
E-mail uhim2006@mi.hama-med.ac.jp
http://www.mi.hama-med.ac.jp/emr/