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電子カルテ  医療情報システム(電子カルテ)

富士通
韓国の中小規模病院向けに統合医療情報システムパッケージ
「EGMAIN-KF」提供開始

(2012/9/13)

●問い合わせ先
富士通コンタクトライン
0120-933-200
受付時間: 9時〜17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
http://jp.fujitsu.com/

 

富士通(株)とFujitsu Korea Ltd.(以下,FKL)は,韓国の中小規模病院向けに,電子カルテシステム(注1)とオーダリングシステム (注2)の機能を統合した,医療情報システムパッケージ「EGMAIN-KF(イージーメイン・ケーエフ)」を開発し,9月13日より韓国での販売を開始する。

「EGMAIN-KF」は,電子カルテシステムとオーダリングシステムに加え,診療現場で必要なさまざまな機能を搭載しており,投薬や看護などの患者ごとの治療計画の医療スタッフ間での共有機能,韓国政府が整備を進める医薬品の適正使用情報に基づく投薬内容のチェック機能なども備えている。また,メンテナンス性に優れ,保険法や制度変更に容易に対応でき,さらに日々のシステム運用を支援するツール群を用意している。

韓国政府は,2011年の医療法改定に伴い,「医療認証制度」を見直し,評価項目として新たに医療情報システムの活用度や頻繁に変更される保険法や制度変更への柔軟な対応性を追加した。あわせて認証対象が大規模総合病院だけでなく,一般総合病院および中小規模病院まで拡大されている。

これに伴い韓国では,中小規模病院でも高度化されたICTインフラへのニーズが急激に高まっている。一方で,現在,中小規模病院が導入している電子カルテシステムやオーダリングシステムは,ほとんどの場合,診療記録を電子化するだけにとどまっている。また,現在のシステムでは,多額の初期費用が必要な上,メンテナンスや保険法の頻繁な変更への対応が難しいといった課題があった。

これらの課題を解決し,従来大学病院などの大規模病院しか構築できなかった高度な医療ICTインフラを,中小規模病院でも容易かつ低価格で導入を可能にすべく,富士通とFKLは,今般,医療情報システムパッケージ「EGMAIN-KF」を提供する。

FKLは,韓国において,大規模病院を中心に先進的な電子カルテシステムを構築し,これまで15病院を越える導入実績を有している。今後,「EGMAIN-KF」をはじめとする最高水準のICTを駆使し,大規模病院のみならず中小規模病院まで事業範囲を拡大する。

●「EGMAIN-KF」の特長

1. 診療現場で必要なさまざまな機能を搭載
「EGMAIN-KF」では,書式作成機能により,電子カルテシステムとオーダリングシステムの表示画面をユーザが直接作成できる。これにより,必要な診療情報を各病院や診療科別の特性に合わせ最適な形式で電子化し共有できるため,看護や治療の質を大幅に向上することができる。
また,韓国政府が整備を進める医薬品の適正使用情報と投薬内容を照合することで,処方が適切かどうかをチェックできる機能を搭載しており,投薬ミスの防止が可能。
さらに,蓄積した診療記録データを活用しながら研究資料や統計資料,認証評価資料などを効率よく作成できる。

2. 保険法や各種制度変更に柔軟に対応でき,新「医療機関認証制度」に適合
病院が患者に安全で質の高いサービスを提供するために,韓国政府が施行している病院評価制度「医療機関認証制度」が,医療品質の向上のために2011年度に改定され,新たに医療情報システムの活用度や頻繁に変更される保険法や制度変更への柔軟な対応性が評価項目として追加された。あわせて認証対象が大規模総合病院だけでなく一般総合病院および中小規模病院まで拡大されている。
「EGMAIN-KF」では,頻繁に変更される韓国の保険法や制度に柔軟に対応できるよう,診療報酬の変更や本人負担率の変更などの病院内の業務プロセスをプログラムではなくデータベース化している。これにより,プログラムを変更することなく,データを修正するだけで,容易かつ迅速に制度変更に対応でき,新評価制度に適合する。

3. 日々のシステム運用を支援するツール群とサポート体制
システム設計の段階から,標準化,モジュール化を徹底しているため,システム導入後のメンテナンス性に優れている。
また,性能やエラーを自動でモニタリングする機能により,システム運用を支援する。さらにオプションで,FKLが顧客のシステムを直接監視して,システムの問題点を記録しながら,システムの改修方法を提案するサービスを用意。これにより,システムのトラブル防止と発生時の早期解決を支援する。

4. 電子化による環境への貢献
これまでの紙のカルテを電子化できるため,1日の外来患者が1,500名の一般的な病院で試算した場合,CO2排出量を年間約5トン削減(注3)することが可能になる。

注1 電子カルテシステム:
患者の病歴,健康状態,診察,入退院記録,各種検査結果など診療中に発生した患者の情報を電子化し,管理・保存するシステム。本システムにより,検索にかかる時間を減らし,診療時間短縮が可能。また医療情報の入力・管理で発生するエラーを減らして医療事故防止に貢献するとともに,正確な医療情報をリアルタイムで必要な部署に提供可能。医療サービスの質の向上,病院経営の改善につなげることができる。
注2 オーダリングシステム:
医師から技師への検査オーダーや薬の処方に関わる情報伝達システム。紙に手書きで作成していた伝票や処方箋の内容をコンピュータに入力することで,処方箋事務から医事会計までを電子化したもの。
注3 CO2排出量を年間約5トン削減:
株式会社富士通研究所が開発した「ソフト・サービス環境影響評価手法」により試算。杉の木1本(50年杉で高さが20〜30m)当たり1年間に平均して約14キログラムのCO2を吸収するとして試算したとき,5トンは杉の木357本分に相当する。