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富士フイルム
デジタルX線画像診断装置
「FUJIFILM DR CALNEO C mini Wireless SQ」新発売
〜DR方式(*1)の「CALNEOシリーズ」で最高の画質と低線量での撮影を実現・
世界最軽量(*2)で,小児領域や整形領域のニーズに対応〜

(2012/8/30)

●標準ユーザー渡し価格
2,300万円 (税別)
●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/

富士フイルム(株)は,独自の「ISS方式(*3)」の間接変換型FPD(*4)に,少ないX線量でも高感度かつ低ノイズで撮影可能な専用チップ(*5)を搭載し,「CALNEO」シリーズにおいて最高の画質を実現した「Premium CsIパネル」を開発した。本パネルを採用した,世界最軽量の小型デジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO C mini Wireless SQ(以下,CALNEO C mini ワイヤレスSQ)」を,富士フイルムメディカルを通じて8月30日より発売する。

FUJIFILM DR CALNEO C mini Wireless SQ

富士フイルムは,平成21年9月より,独自の「ISS方式」の間接変換型FPDを採用した,デジタルX線画像診断装置「CALNEO」シリーズを発売している。昨年9月には,FPD内の蛍光体(シンチレータ)に光変換効率が優れたCsI(ヨウ化セシウム)を採用し,さらに「接合構造(*6)」を組み合わせた無線タイプの「FUJIFILM DR CALNEO C 1417 Wireless SQ」を発売。医療現場から,X線の被ばく線量を大幅に低減しながら高画質な画像が得られると,評価されている。

今回発売する,「CALNEO C mini ワイヤレスSQ」は,少ないX線量でもノイズを大幅に抑制できる専用チップを搭載した高感度な「Premium CsIパネル」により,粒状性が同社従来機種よりさらに向上した。これにより,一般的な間接変換型FPDにおいて,世界トップレベルのDQE(量子検出効率(*7))を実現。さらに,従来の「CALNEOシリーズ」に比べて,全面耐荷重を約2倍高め,310kgまで耐えられる堅牢性も兼ね備えている。
また,本製品のパネルサイズは,24×30cmで,低線量のニーズが高い小児撮影や,頭部や四肢の細かい部位の撮影が必要になる整形外科領域などにおける幅広い撮影に対応する。

*1 Digital Radiographyの略。被写体を通過して照射されるX線エネルギーを電気信号に変換し,X線透過画像として再構成する方式。

*2 平成24年8月30日現在。一般用の間接変換型FPDにおいて。

*3 Irradiation Side Samplingの略。従来型のFPDと反対側のX線照射面側にセンサーを配置し,X線の照射面側より,X線から変換された光信号を読み取る同社独自方式。

*4 Flat Panel Detectorの略。被写体を通過して照射されるX線エネルギーを,検出し電気信号に変換する,X線画像平面検出器のこと。X線をいったん光信号に変換した後に電気信号に変える間接変換型(センサー:ヨウ化セシウムやガドリニウムオキシサルファイドを採用)とX線を直接,電気信号に変える直接変換型(センサー:アモルファスセレンを採用)がある。

*5 X線情報をセンシングする性能を高め,かつX線を低ノイズで検出することを可能とした電気回路。

*6 光変換効率が高く,結晶性の良いCsIの先端部分と受光素子を貼り合わせることで,高画質化を可能とする同社独自の方式。

*7 DQE(Detective Quantum Efficiency:量子検出効率)とは,X線情報を,検出システムがどの程度無駄なく捕捉して画像に役立たせているかの尺度。DQEが高いほど高画質な画像が得られ,低線量化が可能となる。「CALNEO C mini ワイヤレスSQ」ではDQE54%(1cycle/mm)を達成。

●主な特長

(1) 「CsI(ヨウ化セシウム)シンチレータ」,「ISS方式」,シンチレータと受光素子を組み合わせた「接合構造」に加えて,少ないX線量でも高感度かつ低ノイズでの撮影を可能とする専用チップを搭載し,さらなる高画質化を可能とした。撮影時のX線量を大幅に低減することが可能。

図1 一般的な間接変換型FPD(左)と,富士フイルム独自方式(右)との比較
図1 一般的な間接変換型FPD(左)と,富士フイルム独自方式(右)との比較
一般的な間接変換型FPDで用いられているCSS(Conventional Side Sampling)方式では,X線照射側にシンチレータ層,出射側に受光素子(TFTパネル)が配置されている。CSS方式では,X線照射側の高強度の発光光が受光素子に達するまでに減衰・散乱しやすく,X線情報のロスが大きい。一方,同社独自の「ISS方式」ではX線照射側に受光素子基板を配置し,X線照射側の高強度の発光と受光素子までの距離が短く,発光光があまり散乱されずに効率よく検出される。また,CsI柱状結晶を受光素子に直接蒸着してCsI柱状結晶を形成する,従来一般的な「直接蒸着構造」ではなく,光変換効率が高く,結晶性の良いCsI柱状結晶の先端部分と受光素子を貼り合わせる「接合構造」を採用することで,高画質化が可能となる。

(2) 業界初,ISO4090準拠の24×30cmカセッテサイズ(外形寸法268×328mm)の小型無線タイプを実現し,世界最軽量の1.9kg(バッテリー含む)を実現。これにより,カセッテの取り回しの良さが求められる手足や膝の整形分野の撮影で快適な撮影環境を提供する。さらに,小型・最軽量な特長を生かして,新生児用の保育器へも改造することなく,そのままカセッテを入れることが可能で,設備投資を抑えたDR化ができる。

(3) スリープモードを新搭載し,カセッテDRにセットしたバッテリーを効率的に使用することで,7.5時間(フル充電時)の長持続化を達成。これにより,撮影業務でバッテリーの残容量を気にすることなく,安心して使用できる。また,バッテリーを「CALNEO」シリーズと共通化するカセッテ構造とし,「CALNEO」シリーズのすべてのラインアップとバッテリーを共用して使用できる。

(4) プレビュー表示 約1秒(無線通信時),撮影間隔 約7秒(無線通信時)により,整形分野の連続撮影でも快適な撮影スピードを実現。確実な検査時間の短縮により,患者負担軽減に貢献する。

(5) カセッテDR自身でX線を検知する高性能なX線自動検出機能「SmartSwitch」 を標準搭載しました。世界で初めて実用化したX線自動検出機能は,独自技術を駆使し,X線信号と外乱ノイズを判別する高性能な判定アルゴリズムを搭載し,確実なX線信号の検知を実現した。これにより,カセッテDRへの衝撃による誤検出や低出力などX線発生装置の出力タイプに依存することなく,安心で快適なDR撮影を提供する。