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GEヘルスケア・ジャパン
クラウドコンピューティング型データホスティング・サービス
「医知の蔵」の本格運用を開始

(2012/3/30)

●問い合わせ先
GE ヘルスケア・ジャパン(株) 広報 松井
TEL 0120-202-021 FAX 042-585-5360
Mail: aki.matsui@ge.com
www.gehealthcare.co.jp

  GEヘルスケアグループ(以下GEヘルスケア)の世界中核拠点の1つであるGEヘルスケア・ジャパン(株)は3月30日(金),クラウドコンピューティングを活用した医療用画像のデータホスティング・サービス「医知の蔵(いちのくら)」の本格運用を開始した。

  医知の蔵は,PACS(医用画像管理システム)を導入している顧客医療機関が撮影したCT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴断層撮影装置),PET(陽電子放射断層撮影装置)などの医用画像を,ソフトバンクテレコム(株)の保有するデータセンター設備を活用して院外保存するクラウド型の医療サービス。大手ヘルスケア企業と国内トップクラスの通信会社によるデータホスティング事業は国内初で,同社は医用画像の保存に関する運用管理業務を手掛ける。

  本格運用に先立ち,昨年9月から深谷赤十字病院において,医知の蔵の試験運用を手がけてきた。そしてこのほど同院においてサービスの安定化に向けた評価・検証を完了するとともに,同社製のみならず他社製PACSへの対応など社内外の各種体制整備を完了し,本日の本格運用開始に至った。
  深谷赤十字病院でパイロット運用にあたった清水文孝 放射線科部技師長(日本赤十字放射線技師会会長)は,「当院はハードウェアの老朽化や設置スペースといったシステム・設備面での課題解決に加え,保管画像の多様化・大容量化や大規模災害対策など将来を見据えた対策を講じる必要がありましたが,高度なセキュリティを確保した上で医用画像を外部保管する『医知の蔵』は,当院が抱える課題を解決する最適なサービスだと判断し導入を決定しました。」と,医知の蔵を評価している。

  医知の蔵を導入することで,医療機関は加速度的に増大し続ける大容量の医用画像データを,院内と同等の利便性を残したまま,各種ガイドラインに対応したセキュリティ体制のもとで外部保管できるようになる。外部保管に伴い,これまでの院内保存時にかかっていた保管スペースやサーバー代,電気代,その他運用管理にかかるコストが一部不要になるため,医療機関は核となる診療行為に資源をより集中投下し経営効率を改善できると見込まれている。また医用画像は,プライマリーデータセンターと国内遠隔地に設置されたバックアップ用のセカンダリデータセンターの2カ所で同期・二重化保管されるため,医療機関のディザスタリカバリ(災害時復旧)体制の強化にもつながる。

  同社は昨年7月に医知の蔵の販売を開始,海外におけるデータホスティング事業の実績に加え,画像を院内保存する場合に比べた中長期の総管理コストの削減効果や高いセキュリティなどのメリットをテコに,現在国内で数百に上るPACS導入顧客を中心に拡販を図っている。
  同社は今回の医知の蔵の本格運用開始を皮切りに,今後中小規模病院や診療所に向けたPACSのASPサービスや,病院間で医療画像を相互活用できるサービスの事業化に向けた取り組みを進め,急速に進む超高齢社会に不可欠な在宅医療や地域医療連携,遠隔医療など日本の医療課題の解決に貢献することを目指す。

●医知の蔵(いちのくら)概要(同社製PACSの場合)

・名称の由来

医知の蔵は,「医」で医療機関を対象にしていること,「知」で画像を単なるデータとしてだけでなく,知識・知恵・知見を駆使し情報を取り扱うこと,「蔵」でこの「知」を保存・保管するサービスを表す。

・特長

GEヘルスケアのPACSは2ティア型と呼ばれる,「短期ストレージ」(主に撮影から3〜5年以内の画像を保管)と「長期アーカイバー」(病院が電子保管を決定したすべての撮影画像を保管)の2層構造という特長を有しており,医知の蔵ではこの長期アーカイバーに保管されている画像を対象とする。このユニークな2層構造型PACSにデータホスティング・サービスを組み合わせることで,医療機関はこれまでにない以下のようなメリットを享受できる。

  1. 短期ストレージ(STS)は引き続き院内に置くため,直近に撮影し頻繁にアクセスするデータはこれまでと同様,院内の高速ネットワークを活用した迅速な読影・参照が可能。
  2. 長期アーカイバーを院外のデータセンターに持つため,長期・短期とも院内に保存されている現状に比べてディザスタリカバリ能力が大幅に向上するだけでなく,さらにバックアップ用のセカンダリデータセンターを遠隔地に用意することでより強固な災害対策を実現。
  3. 同社が,PACSの保証期間中又は保守契約を締結している医療機関に対して既に提供しているセキュリティの確保された保守回線(InSiteR)を利用可能なため,院内システムとデータセンター間をつなぐ高速回線の新設が不要。その結果,低コストかつ短期間でのサービス導入を実現(院内の環境によって異なる場合がある)。
  4. データセンターで保管する長期アーカイバー内に,院内で保存する短期ストレージ(STS)内の画像も含まれているため,将来院内の短期ストレージを交換する際にも,より効率的かつ経済的なデータ移行が可能