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富士フイルム
マンモグラフィ画像を3D表示する画像診断システム
「リアル3Dマンモグラフィ」発売

(2012/3/21)

●価格
1500万円(税別)
●問い合わせ先
富士フイルム(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fujifilm.jp/business/healthcare/

 

  富士フイルム(株)は,高精細なマンモグラフィの画像を立体視できる画期的な画像診断システム「リアル3Dマンモグラフィ」(以下3Dマンモグラフィ)を,富士フイルムメディカル(株)を通じて,平成24年3月26日より発売する。

リアル3Dマンモグラフィワークステーション
リアル3Dマンモグラフィワークステーション

  「3Dマンモグラフィ」を同社のDR方式乳がん検査用デジタルX線撮影装置「AMULET f(アミュレット エフ)」と組み合わせることで,「AMULET f」で撮影した画像を3Dマンモグラフィ画像として表示することが可能になる。

  なお,本製品を2012国際医用画像総合展(ITEM2012:4月13〜15日パシフィコ横浜にて開催)の富士フイルムブース内で展示する。

  近年,政府ががん検診受診率向上に向けたさまざまな施策を展開していることで,乳がん検診受診者は年々増加している。乳房は厚みのある立体的な組織のため,一般的に乳がん診断に利用される二次元のマンモグラフィ画像では,病変発見の手がかりとなる微小石灰化の奥行き方向の位置を把握することや,乳腺と腫瘤(しゅりゅう)の重なりを判別することは容易ではない。そのため,読影と診断に時間を要する場合もあり,マンモグラフィ画像の読影を行う医師の負担は大きくなっている。このような状況の中,診断の精度を向上させ,医師の負担を軽減する画像診断システムが求められている。

  今回発売する「3Dマンモグラフィ」では,乳がん検査用デジタルX線撮影装置「AMULET f」で乳房を撮影する際に,1つの3Dマンモグラフィ画像を得るために,角度差をつけて2つの画像を撮影する。この2つの画像を「3Dマンモグラフィ」専用の2面構成の高精細モニターに表示させ,偏光眼鏡をかけてハーフミラーを通して見ることで,奥行きのあるリアルな3Dのマンモグラフィ画像を観察することができる。世界最小画素50µmの「AMULET f」による高精細な画像で乳房組織全体を立体的に見ることができるため,通常のマンモグラフィ画像に比べて微小石灰化の奥行き方向の位置の把握や,乳腺のつながりを把握しやすく,乳腺と腫瘤の重なりも見分けやすくなり,詳細な観察が可能になる。診断時の医師の読影時間を短縮する効果に加え,偽陽性を減らすことも期待できる。
  X線撮影は,従来のマンモグラフィ撮影と同様の簡単な操作で行え,撮影した2つの画像のうち1つは,通常の二次元のマンモグラフィ画像としても活用することが可能。

  「3Dマンモグラフィ」は,すでにドイツDinslaken市の医療機関「Radiology, Neuroradiology and Nuclear Medicine」において二次元画像との比較評価を行い,要精検率を低減できることが確認されている。国内でも,独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター(放射線科部長 遠藤登喜子先生)と共同で評価を進めている。

●主な特長

(1) 世界最小画素50µmの乳がん検査用デジタルX線撮影装置「AMULET f」で乳房を撮影する際に,角度差をつけて2つの画像を撮影。この2つの画像を「3Dマンモグラフィ」専用の2面構成の高精細モニターに表示させ,偏光眼鏡をかけてハーフミラーを通して見ることで,奥行きのあるリアルで立体的なマンモグラフィ画像を観察することができる。

(2) 乳房組織の立体的な構造を一目で確認することができるため,乳腺と腫瘤の重なりを判別することや,微小石灰化の奥行き方向の位置把握など,詳細な観察が可能になり,診断時の医師の読影時間短縮効果や偽陽性を減らすことが期待できる。

(3) 「3Dマンモグラフィ」のための撮影は,「AMULET f」で通常の二次元画像を撮影するのとほぼ同様のワークフローで簡単に操作ができる。また,撮影した画像は通常の二次元のマンモグラフィ画像としても活用することができる。

(4) 1つの3Dマンモグラフィ画像を得るためには,2回のX線撮影を行いますが,独自の撮影方式と画像処理により,トータルのX線量は通常撮影の場合にくらべ30%〜50%程度の増加に抑えられる。

●「3Dマンモグラフィ」の原理

(1) 撮影
「AMULET f」で,角度差をつけて2つの画像を撮影する。
このとき垂直方向からの撮影(A)は通常のX線量でおこない,角度差をつけた撮影(B)は通常の30%〜50%のX線量で行う。

撮影
(※同社のマンモグラフィ装置「AMULET f」では,1回の操作で2つの画像を撮影でき,約11秒で自動的に完了する)

(2) 読影
2方向から撮影した2つの画像を3Dマンモグラフィ専用の2面構成の高精細モニターに表示させ,偏光眼鏡をかけて正面からハーフミラーを通して見ることで,観察者は乳房組織を立体的に見ることができる。

読影
(※撮影の模式図で,(A)で撮影した画像が左目用,(B)で撮影した画像が右目用の画像として2面モニター上にそれぞれ表示される)