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血管造影/IVR  血管造影/IVR

島津製作所
心血管内治療支援ソフトウェア「DynamicStentView」発売
〜微細なステントをリアルタイムで明瞭に固定表示〜

(2011/5/31)

●価格
750万円
●問い合わせ先
(株)島津製作所
医用販売促進グループ
TEL 075-823-1271
http://www.shimadzu.co.jp/

 

  島津製作所は,心血管内治療で,血管内に留置するステントの視認性を向上させた強調画像をリアルタイムにかつ動画で表示するソフトウェア「DynamicStentView(ダイナミックステントビュー)」を6月1日から発売する。出荷は7月から順次行う。

  本製品は,心血管内治療を行う際に使用される同社の血管撮影システムのソフトウェア。心血管内治療で使用される治療用デバイスのステントは,微細なことからX線画像で確認しにくいことが多く,本ソフトウェアでは,その視認性を高めた強調画像にする他,心拍により常に動いているステントを固定表示して観察しやすくする。また,この強調画像を,モニタの画面を分割することで,患部のX線画像(動画)と同時に,リアルタイムで表示する。これらをリアルタイムで表示できる技術は,本ソフトウェアが初めてで,これにより,心血管内治療中のステントの位置確認,位置決定が極めて容易になるため,スムーズな治療を支援する。

  動脈硬化が進んできた患者では,血管狭窄が広範囲におよび,過去に留置したステントに並べて,新たなステントを留置する必要のある症例が多いと言われている。このような場合,過去に留置したステントに,新たに留置するステントを密着させることが重要で,医療現場では,血管撮影システムによるX線画像で患部の状況を確認しながら,治療手技がなされる。

  一方でステントは,極めて微細なデバイスへと進化してきており,X線で明瞭に抽出,表示することが困難な場合もあった。そこで,ステントを留置する際は,ステント用バルーン(ステントに挿入されている血管拡張のための治療器具)の両端に設けたマーカーで位置確認し,ステント留置後にバルーンを回収する方法が採用されてきた。しかし,過去に留置したステントにはマーカーがないため,密着させるための位置確認が困難であった。

  本ソフトウェアは,強調画像によりステントの視認性を向上させるだけでなく,モニタの画面を分割して,拍動で動くステントをリアルタイムで固定表示すると同時に,患部(視野全体)の画像も表示するため,視野全体の状況を確認しながらステントの位置確認をすることが極めて容易になり,スムーズな治療を支援する。また,治療中に,留置したステント内でバルーンを用いて再拡張する必要がある際も,その位置合わせに本ソフトウェアは有効。

  同社は,心血管内治療を行う医療現場のニーズに基づき開発した本ソフトウェアを市場投入し,あわせて本体装置の血管撮影システム「BRANSIST safire」も拡販していく

●主な特長

1. ステントの強調画像(動画)をリアルタイムで表示(業界初)
血管拡張のために挿入するステント用バルーンに設けられたマーカーを自動で検出し,高速処理によりステント強調画像をリアルタイムで動画で表示。操作方法も,ボタンとフットペダルといった通常の操作方法と同様であることから,治療の手技を止めることなく簡単に操作できる。

2. 拍動で動くステントを固定表示
血管内に挿入されたステントは,心拍により,血管と共に常に動いているが,本ソフトウェアでは,マーカーを中心に,常に固定された状態で表示するため,ステントの観察が極めて容易になる。

3. 画面を分割して,関連の動画像を同時に表示
本機能の使用時には,画面を3分割して,患部(視野全体)の画像と,ステント強調画像,検出したマーカーを常に表示。視野全体を確認しつつ,ステント強調画像の観察ができることから,より安全に,安心して,ステント治療が行える。