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村田機械
病院で運用実験中の搬送ロボット「MKR-003」が
クリスマスソングをプレゼント

(2010/12/20)

●問い合わせ先
村田機械(株)
広報室 担当:高嶌・鈴鹿・原田
TEL 075-672-8138 FAX 075-672-8691
http://www.muratec.co.jp

MRK-003

  村田機械(株)が開発中の全方向移動自律搬送ロボット「MKR-003」が,大阪大学歯学部附属病院と京都第二赤十字病院で行われたイベントに参加し,入院患者にクリスマスソングをプレゼントした。

  大阪大学歯学部附属病院で12月16日に行われたクリスマスイベントでは,「MKR-003」がこの日のためにサンタクロースの衣装をまとい,開発者もトナカイ姿に扮して病室を訪問。クリスマスソングを演奏しながら,指揮棒を振りふり「メリークリスマス!」と掛け声をあげ,病棟に一足早いクリスマスの雰囲気を届けた。初めてロボットを目にする方も多い中,実証実験に協力している,医療情報室の玉川裕夫氏(大阪大学准教授)からは「病棟にロボットのいる風景が,とても身近に感じられました」とコメントしている。

  一方,京都第二赤十字病院では,12月17日の夜に行われた,看護専門学校生が各病棟を訪問してクリスマスソングを歌う恒例のイベントに参加。「MKR-003」が同イベントに参加するのは一昨年に始まり3度目とあって,病院スタッフからは「今年もよろしくね!」との声がかかった。小児病棟では,入院中の子どもたちが興味津々の表情で「MKR-003」を取り囲む姿が見られた。

  同社は,NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実施する「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト〜10年後の市場ニーズを満たすロボット技術の開発を目指して(2006〜2010)」に参画し,「サービスロボット分野/ロボット搬送システム」として「MKR-003」を開発している。「MKR-003」には,施設への導入時に一度だけ周回させることで「環境マップ」を作成し(自動地図生成),任意の地点まで最短距離で自律走行しつつ(自動経路生成と自己位置認識),ステレオカメラ・レーザーレンジセンサ・超音波センサによって人や障害物を感知し,全方位に移動することで衝突を回避できる(自律型全方位移動機構による動的衝突回避)要素技術が組み込まれている。

  「MKR-003」の病院等公共施設での運用を想定し,同社では実際に施設内で搬送対象物を安全に運ぶための実証実験を行っている。京都第二赤十字病院では2008年4月から薬剤搬送を想定した実証実験を継続的に実施し,大阪大学歯学部附属病院では2010年9月から歯科技工材料や歯形などの搬送を想定した実証実験を行ってきた。実験を通じて,搬送ロボットとしての機能向上とともに,サービスロボットとして公共空間で走行するための安全性,ユーザビリティ,事業性を評価する上での実証データを収集している。

  NEDOの委託プロジェクトとしては2011年3月末に終了するが,引き続き搬送の運営シミュレーション(物流調査)や,エレベーターに安全に搭乗するための検証など,より運用に近い環境での実証実験を継続的に行い,「MKR-003」の実用レベル到達を目指して開発を進める計画である。

■村田機械公式サイト ロボット関連ニュース
http://www.muratec.jp/corp/info/news/2010/20101220.html
(京都第二赤十字病院でのイベント動画有り)