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クックメディカル
「Zilver PTX 薬剤溶出末梢血管用ステント」の単群試験により
浅大腿動脈(SFA)の血管開存率86.2%と発表

(2010/6/2)

●問い合わせ先
フライシュマン・ヒラード・ジャパン(株)
Cook Japan (クックジャパン)広報担当
担当: 原,秋元
TEL 03-6204-4330
FAX 03-6204-4302
http://www.cookmedical.com/jp/

 

※2010年5月25日 パリ発

  ドイツ・ライプチヒのパーク病院の院長,Dierk Scheinert教授がEuroPCRで発表したデータによれば,クック メディカルの「Zilver® PTX®薬剤溶出末梢血管用ステント」で治療を行った全患者サブグループの86.2%に関し,再インターベンションを行う必要もなく,12ヶ月間血管が開存したことが明らかになった。

  データは,浅大腿動脈(SFA)の末梢動脈疾患(PAD)に対する血管内治療についての世界最大の臨床試験の一部として集められたもの。臨床試験は,症状のある患者や糖尿病患者,そして,長い病変,完全閉塞や,ステント内再狭窄を含む最も複雑な病変を有する患者等,787名の患者グループに対して行われている。

  また,単群試験の結果,次のことが明らかになった。

  • わずか1.5%という低いステント破損率
  • ベアメタルステントや他の薬剤溶出ステントに関して報告された試験結果に比べ,再狭窄が平均で50%以上減少
  • 12ヶ月間で4つの主要な臨床指標(ABI,ラザフォード分類,歩行速度,歩行距離)全てにおいて改善

  本臨床試験の責任医師を務めるScheinert教授は,「この開存率データは素晴らしく,再狭窄が50%以上減少したことは注目に値するもので,良い意味で驚くべき結果となった。浅大腿動脈(SFA)内の重篤な病変を治療するにあたって,無作為試験の最終データがより大きな治療の可能性につながることを期待しています」と述べている。

  また,クック メディカルのペリフェラル・インターベンション事業部国際事業部長であるロブ・ライルズ氏は次のようにコメントしている。「開存率が持続し,臨床結果が改善したことを考慮すると,Zilver PTX®薬剤溶出ステントは,臨床医および患者さんの双方に新たな可能性をもたらすといえます。Zilver PTX®は血管内の浅大腿動脈(SFA)治療のあり方を根本的に変える製品であることを信じています。」

Zilver PTX®について
Zilver PTX®ステントは2009年8月にCE認証を取得し,同年9月から欧州で販売されている。治療困難な肢部の血管である浅大腿動脈(SFA)の末梢動脈疾患(PAD)の治療に使われる世界で初めての薬剤溶出ステント。
Zilver PTX®ステントは展開時に,自己拡張して動脈を広げ,血流を回復させる。その後,血管壁の細胞にパクリタキセルを送り込み,再狭窄のリスクを軽減する。Zilver PTX®がポリマー(高分子化合物)を使わずに薬剤をステント本体へ付着させることができたことは,従来の薬剤溶出技術に比べて大きく進歩した点である。これにより,血栓の形成や炎症といった,ポリマー被覆に関連して発生するリスクを大幅に軽減する。
クック メディカルは,ペリフェラルステントと,心臓冠動脈以外の疾患治療への医療デバイスに対するパクリタキセルの使用許諾権を,カナダ ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのAngiotech Pharmaceuticals社(www.angiotech.com, NASDAQ: ANPI, TSX: ANP)より受けている。米国では,Zilver PTXR薬剤溶出ステントは,治験段階にあり,現時点ではまだ販売されていない。

末梢動脈疾患: PADについて
末梢動脈疾患(PAD),または末梢血管障害は,動脈の内膜に沈着物(アテローム)が蓄積するアテローム動脈硬化症によって起こる。PADの最も一般的な症状は,運動中の脚の痛みです。時間がたつにつれ,動脈はアテローム動脈硬化症によって狭まり,その結果,血流が減少する。手足の血流の大幅な減少は,重症虚血肢(CLI)としても知られている。安静時の脚の痛み,難治性創傷,壊疽が特徴で,四肢の切断につながる可能性がある。