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第22回GEヘルスケア・エッセイ大賞 結果発表
一般部門大賞受賞の宮崎眞理子さんが
介助犬訓練センター「シンシアの丘」に賞金10万円を寄付
医療・研究部門大賞受賞の越智小枝さんは
「東京医科歯科大学 医学部附属病院 循環器内科」に研究助成金10万円を寄付

(2009/12/2)

●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
GEヘルスケア・エッセイ大賞 事務局長 松井 亜起
TEL 0120-202-021 Fax 042-585-9541
Mail: aki.matsui@ge.com
http://www.gehealthcare.co.jp

 

 GEヘルスケアグループの日本法人であるGEヘルスケア・ジャパン(株)が主催した「第22回GEヘルスケア・エッセイ大賞」の一般部門 大賞に熊本県在住の主婦,宮崎眞理子さんの作品「メタボ予防 〜 私が決める新たな基準」が,医療・研究部門 大賞に東京都在住の医師,越智小枝さんの作品「レセプター異常という現代病 ― 体の声が聞こえていますか?」が選出された。また,審査員特別賞には福岡県在住の医師,本多直美さんの作品「餅はできるか,美味いのか」が選ばれた。

同エッセイ大賞の本年の募集テーマは,「なぜ大切? メタボ予防 〜 あなたが決める新たな基準」。

  一般部門の大賞受賞の宮崎さんは,新型インフルには注射を打てばいい,メタボ対策は数値を守ればいい,という最近の思考回路を「〜すればいい,という単純思考」と定義,痩せていた自身の父親が,脳出血で死亡した例を挙げつつ,数値には人から「考える力」を奪う危険がある,と指摘。あいまいな数値に任せきりにしている現代人を,「自分の身体にほんとうに目を向けない」と切り,その上で「自分で考える力」を身につけることこそ,真のメタボ予防策になると主張している。

  医療・研究部門で大賞を受賞した越智さんは,「メタボの原因は実はわかっていない」という点に立脚し,メタボになる背景には仕事や生活のストレスによる体の「レセプター」(受容体)の鈍化がある,と指摘。「ストレスの大もと」を絶たなければ,メタボ世代は健康にはなりえない,と訴えている。その上で,「1日に一度,自分の身体だけを考え,自分の身体に聞く時間をもとう」と医師としてアドバイスを送っている。

  第5回から審査員を務める作家の渡辺淳一氏は,宮崎さんの作品について,「メタボについて,単なるデータや数値に目をうばわれることなく,それをこえて,自分で考える力を養うべきだ,という提言は,新鮮で現実的である。実際,病院の医師でさえ,最近は患者を診るより,パソコンのデータしか見ていないようなことも少なくない。今やデータ氾濫時代,こういうときこそ,このエッセイを多くの人に読んでもらいたいものである」と称賛しており,また越智さんの作品に対しては,「『自分の体の声を聞く』という一点においてきわめて専門的で説得力がある。往々にして,メタボという数値だけにとらわれる一般の人々へ,その生活態度にまで言及したところが,新鮮で意欲的である」と,高く評価している。

  審査員特別賞を受賞した本多さんは,「健診は自分の現状を知り,未来の健康をデザインするきっかけだ。受診者が主体性を持って受診し,その結果を考えることができればメタボ予防につながる。基準値の妥当云々はさておき,変化を見ることが重要だ」と,医療を提供する医師ならでは視点で,メタボ予防に対する提言を展開しており,「現実の医療現場でメタボ健診にあたる医師の悩み,疑問,提言が具体的に説かれていて,貴重な記録になっている」(岡崎満義 元文藝春秋 取締役編集局長)との評価を獲得した。

 11月25日(水)にはGEヘルスケア・ジャパン内会議室で表彰式が行われ,その場で一般部門大賞受賞の宮崎眞理子さんは,同賞金の10万円を社会福祉法人日本介助犬協会 介助犬訓練センター「シンシアの丘」(愛知県長久手町)に寄付した。また,医療・研究部門大賞受賞の越智小枝さんは,同じく賞金10万円を研究助成金として,東京医科歯科大学 医学部附属病院 循環器内科(東京都文京区)に寄付した。

 社会福祉法人日本介助犬協会 介助犬訓練センター「シンシアの丘」は,「一人でも多くの肢体不自由者が自立と社会参加を果たせるよう,良質な介助犬の育成と訓練を行う」という同協会の事業理念に則り,今年3月に完成した全国で初めての介助犬専門訓練施設。2階建ての施設には25匹の犬の飼育が可能で,障害者が介助犬と合同訓練できるようにバリアフリーの施設となっている。年間10匹程度の介助犬の養成が可能なほか,訓練士を目指す研修生も泊まり込んで研修を受けることができる。 東京医科歯科大学 医学部附属病院 循環器内科は,約27の基準病床数を有し,患者さん中心の高度で良質な循環器診療を行っている。最先端医療の提供にも力を入れており,冠動脈疾患,不整脈,心筋症,心不全,心臓弁膜症,高安病(大動脈炎症候群)などそれぞれの領域の専門家が高度な診断・治療技法を駆使して診療に当たっている。さらに救急疾患には循環器内科の専門医が24時間即応して,緊急の検査・治療ができる体制を取っている。

 今回の寄付について,受賞者,ならびに寄付金贈呈先の「シンシアの丘」と「東京医科歯科大学 医学部附属病院 循環器内科」の代表はそれぞれ,以下のコメントを寄せている。

(第22回GEヘルスケア・エッセイ大賞 一般部門大賞受賞 宮崎眞理子さん)
「シンシアの丘」のことは,NHKのテレビ番組上で知りました。 介助犬の存在により,身体の御不自由な方々が,希望に満ちた人生のスタートを迎えられる姿を見まして,介助犬の活躍の場が少しでも多くなる為に必要な資金の一部にしていただければ幸いです。 益々の御活躍を,心よりお祈りしております。

(社会福祉法人日本介助犬協会 事務局長 高柳友子さん)
介助犬は手足に障害のある方々の手足となって,落とした物を拾って渡し,手が届かないものを取ってくる,携帯電話を手元に持ってくる,冷蔵庫を開けて中からペットボトルを持ってくる,などの介助をします。手や足に障害のある方々は全国で175万人,1万5千人以上が介助犬により自立・社会参加ができると言われていますが,実働数は未だ全国で50頭。今春愛知県に全国で初めての介助犬専門訓練施設,介助犬総合訓練センター・シンシアの丘が建設されました。シンシアは介助犬法制化のきっかけとなったラブラドールレトリバー。今は天国で介助犬の活動を見守ってくれています。介助犬は障害者に機能的介助だけでなく,常に寄り添い,見守り,励まし,愛情を還元してくれます。介助犬が活躍できる社会は障害者にも犬にもやさしい社会です。一人でも多くの障害者が介助犬によって生きる喜びを感じ,自立出来るようこれからも努力していきたいと思います。

(第22回GEヘルスケア・エッセイ大賞 医療・研究部門大賞受賞 越智小枝さん)
東京医科歯科大学循環器内科(循環制御内科学分野)は心不全の分子生物学的研究の一環として骨髄由来の幹細胞を用いた心筋再生の臨床応用へ向けての研究を行っており,更に心移植の移植免疫の研究などを通じ,梗塞後心筋の再生医療・末期心不全の治療などへの多大な貢献が見込まれるため,この度寄付先として選びました。

(東京医科歯科大学 医学部附属病院 循環器内科 教授 磯部光章さん)
この度,越智小枝先生が第22回GEヘルスケア・エッセイ大賞 医療・研究部門の大賞を受賞されましたことを心よりお慶び申し上げます。受賞にあたって,私ども東京医科歯科大学循環器内科に研究助成を賜りますことは望外の喜びです。メタボリック症候群は動脈硬化,心血管疾患の初期段階として社会的にも医学的にも大変重要な栄養異常です。私どもは循環器内科として,日々心筋梗塞やその結果として起きる心不全の診療にあたる中でメタボリック症候群の危険性と接しております。研究機関としてもこれらの疾患を持つ患者さんについての臨床的研究や細胞や動物を用いた新たな治療法の開発を行っているところです。今回の研究助成を活用して心不全の薬物治療法の開発や,重篤な心不全患者さんの最終的な治療である心臓移植をより安全に行うための新たな治療法の開発に役立てていきたいと考えております。主催されたGEヘルスケア・ジャパン,審査をされた審査員の先生方に心より感謝申し上げる次第です。

第22回GEヘルスケア・エッセイ大賞の結果詳細。
http://japan.gehealthcare.com/cwcjapan/static/company/essay/index.html

第22回GEヘルスケア・エッセイ大賞 表彰式・寄付金贈呈式

・ 寄付金贈呈先 (福)日本介助犬協会 事務局長 高柳 友子さん
・ 最終審査員 作家 渡辺 淳一氏
・ 一般部門 大賞受賞 宮崎 眞理子さん
・ 審査員特別賞 受賞 本多 直美さん
・ 最終審査員 元文藝春秋取締役 岡崎 満義氏
上段右から:
・ 協賛 GEキャピタル 広報担当 落合 奈津子氏
・ 最終審査員 GEフィナンシャルサービス(株) 取締役副社長 奥田 高志氏
・ 一次審査員 毎日新聞学芸部 編集委員 網谷 隆司郎氏
・ 最終審査員 GEヘルスケア・ジャパン(株)  代表取締役社長 兼 CEO 熊谷 昭彦
・ 最終審査員 GEヘルスケア・ジャパン(株)  取締役 ライフサイエンス統括本部長 渡邉 温子
・ GEヘルスケア・ジャパン(株)広報マネージャー 松井 亜起
最前列:
・ 寄付金贈呈先 (福)日本介助犬協会 所属 介助犬 イアン君
左上:
・ 医療・研究部門 大賞受賞 越智 小枝さん
*越智さんは当日緊急のご用事が生じたため,個別に式を執り行った。