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GE横河メディカルシステム
次世代型多目的X線撮影装置
「Innova」シリーズの最新モデル
3機種を同時発売

〜 循環器・全身・頭腹部用の3 機種,
高画質・低被ばく・高い操作性を実現〜

(2009/4/15)

●価格
Innova 4100IQ Pro 3億2,800万円
Innova 3100IQ Pro 3億2,800万円
Innova 2100IQ Pro 2億9,600万円
●問い合わせ先
GE横河メディカルシステム(株)
広報グループ
TEL 042-585-9249
http://www.gehealthcare.co.jp

Innova2100 IQ Pro
Innova 2100IQ Pro

 GEヘルスケアグループの日本法人であるGE横河メディカルシステム(株)は4月17日(金),フラットパネル型デジタルディテクタ(以下FPD)を搭載した多目的X線撮影装置3機種を,全国の大学病院や地域基幹病院を主対象に同時発売する。

 今回発売するのは,20cm x 20cmのFPDを搭載した「Innova 2100IQ Pro(イノーバ2100アイキュー・プロ)」,30cm x 30cmのFPD搭載の「Innova 3100IQ Pro(イノーバ3100アイキュー・プロ)」,ならびに40cm x 40cmの大口径FPDを搭載した「Innova 4100IQ Pro(イノーバ4100アイキュー・プロ)」の3機種。

 今回発売する3機種は,同社のFPD搭載多目的X線撮影装置「Innova(イノーバ)」シリーズの最新モデル。各装置の主要診断領域は,Innova 2100IQ Proは冠動脈や頸部,下肢などの循環器,Innova 3100IQ Proは全身領域,そしてInnova 4100IQ Proは頭腹部。新開発のアプリケーションの搭載や機能強化を図り,画質の向上や被ばくの低減,ならびに操作性や信頼性の向上を実現している。

 QOL(Quality of life)向上への関心と患者意識が高まる中,これまでの外科手術に比べて侵襲の少ないインターベンション(IVR)は近年増加しており,また昨今では従来開胸・開腹術が必要だった胸部・腹部の大動脈瘤に対するステントグラフト術が可能になるなど,その高度化が加速されている。IVRの普及ならびに高度化に合わせて,血管撮影装置にはステントなどのデバイスと病変部をともにクリアに描出することが求められているが,逆にステントの改良でその薄さが一段と増す中,視認性低下が課題となっていた。今回発売する新製品3機種では,撮影中にステントのみを抽出してクリアに描出可能な「StentViz(ステントビズ)」を搭載,ステントの両端にあるマーカーボールのみならず,ガイドワイヤーの動きも的確に認識して高精細に描出,留置時の正確性を格段に向上している(下図参照)。

従来のステント画像(左)と「StentViz」を使用したステント画像(右)
従来のステント画像(左)と「StentViz」を使用したステント画像(右)

 また,IVRに必要なイメージの画質は,撮影部位や治療内容によって患者ごとに異なるが,従来はX線量と画質のバランスの選択肢が少なく,治療内容に応じた最適化が図れないこともあった。今回発売する3機種は「パーソナライズド・ドース」機能を搭載,60通りの選択肢の中から,検査の目的や患者の状態,治療履歴などに合わせて最適なX線量と画質のバランスを瞬時に選べるようになるほか,被ばく量の低減など患者の負担軽減に貢献する。

 Innovaシリーズではこれまでも,撮影やIVR時の各種設定や画像処理を患者のベッドサイドに設置した多目的タッチスクリーン・オペレータコンソールで可能にした「InnovaCentral(イノーバ・セントラル)」機能を搭載しているが,新製品3機種では新たに「One Touch QA(ワンタッチキューエー)」を追加,従来は別の操作室で実施していた狭窄率や距離の計測などの画像解析を,タッチスクリーンに表示された画像上で可能にしている。

 また,X線血管撮影装置の中でクラス最高レベルの3次元画像構築を誇る「Innova 3D(イノーバ・スリーディー)」の機能をさらに強化,循環器にも対応できるようになったほか,Cアームとワークステーション間のリアルタイムかつ双方向の連携により,3D画像回転とCアーム回転が連動する。

 このInnovaCentralとInnova 3Dの機能強化により,検者の操作性を大幅に向上している。

 同社はこれまで,顧客の医療機器と同社のサービスセンターをブロードバンドで結び,装置の不具合が発生した場合に遠隔で保守・修理する「InSiteBB(インサイト・ビービー)」を提供していたが,このほどこの遠隔メンテナンスサービスを強化し,従来の24時間365日にわたる装置データの監視・診断のみならず,不具合が発生する前にその兆候を検知する予兆監視を強化。不具合の兆候を事前にキャッチした場合には,該当箇所の解析を実施し,必要に応じスタッフを出動させる。この予兆監視によって検査中のシステムダウンを減らすことが期待でき,結果として一日に撮影できる患者の数も増やせるため,病院経営効率化にも貢献する。

●主な特長

  • InnvaSense:静電容量センサーを採用したGE独自の非接触型センサー。システムが被写体と検出器の距離を自動制御するためポジショニングの際の安全性を向上。また,ポジショニングに要するストレスや手間,時間を削減(Innova 4100IQ Proには非搭載)
  • InnovaBreeze:1回のデジタルサブトラクション(DSA)撮影で造影剤のスピードに合わせベッド移動を遠隔操作,撮影後にはペースティング機能により自動で1枚の画像に自動合成が可能
  • オフセットアーム:GE独自のユニークなデザインにより通常のCアームポジションで107cmのベッドストロークを実現
  • ロングテーブル:Cアームを90度傾けた状態で最大で170cmのベッドストロークを実現,全身領域をカバー
  • Flourostore:透視画像をワンタッチでDICOM規格に保存可能。透視後でも450フレーム分を遡って保存
    デジタルサブトラクション(DSA)とは,造影剤を注入して撮影した画像と,造影剤注入前の画像の減算(サブトラクション)を行い,血管のみを高精細に描出する手法