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放射線治療  放射線治療

熊本放射線外科が国内初の
「Novalis Tx統合システム」
導入を決定

(2008/11/11)

●問い合わせ先
ブレインラボ(株)
TEL 03-5733-6275
http://www.brainlab.com

Novalis Tx

 医療法人社団 人優会 熊本放射線外科は,高精度放射線治療統合システム「Novalis Tx」(以下,「Novalis Tx統合システム」)の導入を決定した。なお,今回の導入決定は国内初となる。(稼働時期:2009年12月頃を予定)

 今回,導入を決定した「Novalis Tx統合システム」は,熊本放射線外科で現在稼働している「ノバリス シェープビーム・サージェリーシステム」(導入:2005年5月,以下,「ノバリス」)の新バージョンで,頭部・頚部,脊椎や肺,肝臓,前立腺等の体幹部の腫瘍などに適用可能な高精度放射線治療統合システム。最先端技術を駆使した高精度の「患者位置決め技術」をはじめ,拡大された照射野(22x40cm)を持つ「放射線ビーム成形装置」を搭載し,より大きな病変部にもピンポイントでの治療が可能。さらに,強力なリニアックの採用などにより,治療時間も短縮され,患者のQOL向上に寄与するものと考えられている。

 熊本放射線外科は,2001年に開業。開業当初より「サイバーナイフ」,2005年には「ノバリス」と最先端の放射線治療機器を導入し,二つの機器の特長をそれぞれに活用し,最先端の放射線治療の提供に尽力してきた。

 中でも,「ノバリス」導入後は,頭頚部以外へも治療の対象領域が拡大し,また,15〜20分という短い治療時間のために,より多くの患者の受入れが可能になり,本年10月には「ノバリス」を用いた治療数が導入から約3年半で2,000症例に達した。現在も九州地域だけでなく,西日本も含む広い地域の多数の患者さんに治療を提供している。

 今回の「Novalis Tx統合システム」の国内初導入について,古後院長は「患者さんが望まれる限り,一人でも多く,一日も早く治療を受けていただくことが私の使命です。Novalis Tx統合システムは,従来機ノバリスでは治療できなかったより大きな病変にも適用でき,治療時間も短縮されています。今回の導入決定で,より多くの患者さんに高精度な最先端の放射線治療が提供できるようになることを嬉しく思います」と語っている。

医療法人社団 人優会 熊本放射線外科
所在地:〒862-0941 熊本県熊本市出水7-90-2
TEL:096-370-0712 FAX:096-214-3712 IP.phone:050-5519-7100
URL:http://www.radiosurgery.or.jp/
設立:2001年
理事長・院長:古後 佳生
スタッフ数:20名(非常勤を含む)
導入機器:
- 放射線治療機器:サイバーナイフII,ノバリス シェープビーム・サージェリーシステム
- MRI:東芝 1.5T EXCELART Vantage XGV,東芝 1.5T EXCELART SPIN edition
- CT:東芝 Aquilion16,GE Lightspeed RT 16
- 高気圧酸素:Sechrist 高気圧酸素治療装置
- 画像表示システム:東芝 Rapideye Station TWS-5000,PSP EV Insite

高精度放射線治療統合システム「Novalis Tx」
Novalis Tx統合システムは,直線加速器領域において実績のある米医療機器大手バリアンメディカルシステムズと,独ブレインラボ社のコラボレーションにより生まれた高精度放射線治療統合システム。Novalis Tx統合システムは,最先端技術を駆使した高精度の患者位置決め技術や放射線ビーム成形装置,強力なリニアックを搭載し,病変部に対しピンポイントで治療を行う。治療部位も,頭部・頚部だけでなく,脊椎や肺,肝臓,前立腺等の体幹部の腫瘍等に適用できるため,幅広く柔軟な放射線治療の提供が可能。
患者位置決め技術には,X線と赤外線による患者位置決め装置「ExacTrac Xray」に加え,CTによる患者位置決め装置「On Board Imager」を搭載。病変部の3次元画像をベースとした画像誘導による正確な位置決めを可能にした。さらに,6軸制御された全自動ロボット寝台により,患者の体重による寝台のたわみや歪みを補正し,正確なポジショニングを短時間で行う。治療可能な範囲(照射野)は22cm×40cmと広く,より大きな病変*1にも対応可能。腫瘍の形状にあわせて放射線ビームを成形するマルチリーフコリメータ(MLC)も,業界最薄クラス*2の2.5mm厚のリーフを採用,より精細な照射をサポートする。搭載されているバリアンメディカルシステムズ製の高性能リニアックは,腫瘍の周辺組織への侵襲を最小限に抑えながら業界最高水準*3の照射線量率・最大1000MU/分の放射線を集中的に照射できるため,治療時間の短縮に寄与する。
Novalis Tx統合システムは,2007年9月に欧米で発売され,現在57台がカリフォルニア大学ロサンゼルス校付属病院等,トップレベルの医療センターに導入および導入が決定されている。 Novalis Tx統合システムに関する詳細は,www.poweringhope.comを参照。

※ Novalis Txは以下の機器を含む。
Novalis Tx医療用リニアック,ノバリスボディーシリーズ,ノバリス放射線治療計画システム,ブレインラボRTM付カウチ

*1:同社ノバリス®シェープビーム・サージェリーシステムの照射野(10cm×10cm)との比較,
*2:2008年現在,
*3:2008年現在