ブレインラボ(株)と(株)バリアンメディカルシステムズは,高精度放射線治療統合システム「Novalis Tx」の販売を開始する。Novalis Txの販売開始により,従来にも増して精密で,より患者にやさしい放射線がん治療の提供が可能になる。
Novalis Txは,頭部・頚部だけでなく,脊椎や肺,肝臓,前立腺等の体幹部への腫瘍などに適用可能な,高精度放射線治療統合システム。最先端技術を駆使した高精度の患者位置決め技術や放射線ビーム成形装置,強力なリニアックを搭載し,病変部に対しピンポイントで治療を行い,患者様の負担を軽減する。今回新発売のNovalis Txは,2004年に発売された「ノバリス シェープビーム・サージェリーシステム」の新バージョン。ノバリスは全世界で90施設に導入されており,国内では現在までに奈良県立医科大学付属病院,京都大学医学部付属病院など大学病院・がん治療専門病院10施設に導入されている。Novalis Txは,これまでのノバリスの強みをさらに強化・改良し,治療範囲の拡大,治療精度の向上,および治療時間の短縮を実現した。
■治療範囲の拡大
Novalis Txの最大の特徴は,大幅に拡大した放射線照射野。放射線ビームを腫瘍の形状に合わせて照射するための高精度成形装置「マイクロ マルチリーフコリメータ (MLC)」を拡大することで,ノバリスで10x10cmだった照射野は,Novalis Txでは22x40cmにまで拡がり,より大きな腫瘍の治療が可能になると同時に,適応部位も拡大される。また,痛みを伴わないフレームレスでの治療など,患者一人ひとりのニーズにあわせた多様な治療方法の選択が可能となる。
■治療精度の向上
従来のX線画像と赤外線による患者位置決め装置「ExacTrac X-Ray」に加え,CT画像撮像装置「On-Board Imager」を搭載したNovalis Txは,病変部を3D画像として取り込むことで,画像誘導による精確な位置決めを行う。さらに,MLCに業界最薄(*1)の2.5mmリーフを使用し,より精密に放射線ビームを腫瘍の形状に一致させることが可能となり,放射線照射による周辺正常組織への被ばくを最小限に抑えた,より患者にやさしい治療を実現する。(*1:2008年4月現在)
■治療時間の短縮
Novalis Txは,直線加速器領域において実績のある米医療機器大手バリアンメディカルシステムズの高精度リニアックを採用しており,業界最高水準(*2)の照射線量率(最大1000MU/分)で放射線を集中的に照射することができる。また,6軸制御の全自動ロボット寝台により,治療時の患者様の正確なポジショニングを短時間で実現。(*2:2008年4月現在)
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